- 2006/05/12 掲載
1枚のICカードで複数の生体認証が可能に
大日本印刷は、指静脈と手のひら静脈の2つの生体認証に対応したICキャッシュカードを開発した。このカードは既に100を超える金融機関で採用が決定しており、5月下旬より、全国の金融機関向けに拡販を開始するという。
全国の金融機関は、それぞれ、指静脈または手のひら静脈のいずれか一方を、自社の生体認証方式として採用しつつある。ICキャッシュカードとATMは、各金融機関が採用した生体認証方式のみに対応している。このため、認証方式が異なる金融機関のATMでは、生体認証機能を利用することができず、両方式に対応したICキャッシュカードが求められていた。こうした要望に対応して、本年3月末、全国銀行協会ICキャッシュカード標準仕様が改訂され、1枚のICキャッシュカードに複数の生体認証機能を搭載することが仕様化された。
DNPは、この仕様改訂に準拠した、2つの生体認証を行うことができるICキャッシュカードを国内で初めて開発したという。
特徴は、「全銀協ICキャッシュカード標準仕様改訂版への準拠」「拡張性」の2つがあげられる。
全銀協ICキャッシュカード標準仕様改訂版への準拠は、同仕様改訂版に準拠した指静脈と手のひら静脈の2つの生体認証機能を、1枚のICキャッシュカードに搭載している。このICキャッシュカードに、指静脈と手のひら静脈の両方の生体認証情報を登録することにより、指静脈、手のひら静脈のいずれかに対応している、発行元以外の金融機関のATMで、生体認証機能を利用できるようになる。
拡張性に関して、新ICキャッシュカードは、MULTOSTM、JavaCardTM、及びそれぞれのデュアルインターフェースカードをラインナップしている。MULTOSTMとJavaCardTMは、ソフトウェアを追加できるマルチアプリケーション型ICカードOSであり、ICキャッシュカードと2つの生体認証のアプリケーションに加え、ネットバンキングを安全に行うためのワンタイムパスワード生成アプリケーションなどの機能を追加することが可能である。
デュアルインターフェイスカードは、接触式だけでなく非接触式にも対応したカードであり、電子マネーなどの非接触インターフェースを利用したサービス展開も可能。
国際ICクレジットカード仕様にも準拠しているので、クレジットカードとの一体型キャッシュカードにも対応できる。
また、今回のICキャッシュカードは、手のひら静脈認証アプリケーションを改良し、認証速度の向上も実現したという。
DNPでは今後、2つの生体認証アプリケーションを搭載したICキャッシュカードの拡販を進め、今後3年間で50億円の売上げを見込んでいる。
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