- 2006/05/10 掲載
製品開発の短縮化を実現、日本IBMのグリッドソリューション
日本IBM、住商情報システム、エンジニアス・ジャパンの3社は、主に製造業向けに、膨大なテストデータの設定を自動化し、グリッドコンピューティング(注1)による高い処理能力を活用することで、各種解析・シミュレーション業務に要する時間を大幅に短縮可能なソリューション「IBM(R) Grid and Grow(TM)対応 PLM/CAEプロセス自動化ソリューション」を5月11日から提供開始すると発表した。価格は最小構成で955万円(税別)から。
製造業では、顧客のニーズが多様化していることで製品ライフサイクルははやまり、新製品の開発業務をスピード化し、市場投入までの期間を短縮することが求められている。一方、安全性・信頼性に対する要求も高まっているため、より精度の高いシミュレーションを行うことで設計品質を向上することも重要な課題になっている。シミュレーションの精度を上げるためには、膨大な数のテストデータを次々に設定して解析を行うパラメータースタディを繰り返し、結果を分析する必要があるため、システムにかかる負荷のみならず、テストデータの作成・設定等の作業量が増加している。
「IBM(R) Grid and Grow(TM)対応 PLM/CAEプロセス自動化ソリューション」はこれらの課題に対応するもので、日本IBMとパートナー企業の協業によって、ユーザー企業におけるグリッドコンピューティング(注1)技術の活用を推進する「IBM Grid and Grow オファリング」の一環である。このソリューションは、グリッドコンピューティング技術と自動化・統合化・最適化技術を用いて、各種解析・シミュレーション業務に要する時間を大幅に短縮するとともに、設計・解析における技術者の業務を軽減するものである。ユーザー企業の環境における車体の騒音解析業務での実証実験では、従来の技術を用いた場合20日以上かかる1,000ケースのパラメータースタディの計算を、膨大なパラメーター設定の作業を自動化し、処理を高速化することにより、3日で実現できることを確認したという。
このソリューションを活用することで、従来ITの専門家やパラメーター設定の経験豊富な技術者が必要とされていた構造解析のための大規模パラメータースタディを、はるかに容易に、かつ短時間に実現できるようになり、これまで適用が難しかった分野での設計品質の向上にも活用することができるという。
(注1)グリッドコンピューティング
分散する異機種のコンピューター資源を共有し、一つの高性能なシステムとして利用可能にする技術です。
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