- 2006/04/26 掲載
06年には975億円市場に急拡大する日本版SOX法市場
・日本版SOX法市場は、06年に急速に立ち上がり975億円に達し、08年には2,607億円に達する見込み
・国内株式公開企業100社のうち39%がすでに日本版SOX法対策に着手
・セキュリティ/ビジネス継続性ソリューションへの関心が高まる
IT専門調査会社IDC Japanは、日本版SOX法市場規模予測について発表した。これによると、06年3月の調査時点で、06年の日本版SOX法市場規模は975億円になるという。その後、同市場は08年にピークを迎え、2,607億円に拡大すると予測している。
同調査では、国内株式公開企業100社のCIO、IT部門マネージャにアンケートを実施し、日本版SOX法に対する意識や投資意向についてたずねた。結果、すでに39%の企業が日本版SOX法対策に着手していることが明らかになった。日本版SOX法対策としては、セキュリティやビジネス継続性ソリューションへの関心が高くなっている。これらを踏まえ、IDCでは、日本版SOX法が株式公開企業のIT投資を促す要因として働くとみている。
日本版SOX法とは、第164回国会に提出された「証券取引法等の一部を改正する法律案」及び「証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」(合わせて「金融商品取引法」という)を指している。同法案が施行されると、株式公開企業の経営者は、自社の内部統制の有効性について責任を負うことになる。株式公開企業は、会計システムと業務データの適切な連携や、不正リスクを監視する仕組みを作る必要がある。しかし、同法に対応するためだけのIT投資は、企業にとって負担でしかない。内部統制の本来の目的は、業務の有効性を高め、コンプライアンスを確保することで、企業価値を向上させる点にある。
IDC Japan ITスペンディング リサーチアナリスト 伊藤 芳之は「攻めの経営に転じた企業は、次の成長を支えるITインフラの構築に着手している。ITベンダーは、企業のIT戦略との整合を取りながら、内部統制構築を支援すべきである。そうすることにより、日本版SOX対策ソリューションを前向きのIT投資に転じることができる」と分析している。
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