- 2006/03/07 掲載
日本市場に本格参入、ゼンテック、米国ソーマ・ネットワークス
ゼンテック・テクノロジー・ジャパンは、ソーマ・ネットワーク(米国カリフォルニア州サンフランシスコ)と戦略的提携を一段と強化し、次世代ワイヤレス・ブロードバンドの中核技術として注目を集める「WiMAX(ワイマックス)」をターゲットとして、日本市場に本格参入することを発表した。
両社は既にシンガポールの合弁会社ソーマ・アジアを通して、東南アジア、インド、オセアニア、中東、アフリカ地域等で積極的な市場参入を推進しているが、日本市場参入を契機にSOMAの卓越したブロードバンド・ワイヤレス技術とゼンテックのデジタル放送・映像技術を融合した、新技術・商品の共同開発を積極的に進めるという。
総務省は2004年「ワイヤレス・ブロードバンド推進研究会」を新たに設置し最終報告書が2005年12月27日に公表され、「ユビキタスネット社会現実には有線と無線ブロードバンドの融合が必須」との基本的な考え方をまとめており、有線ブロードバンド不備地域をカバーするワイヤレス・ブロードバンドの通信方法としてWiMAXをあげている。既にNTTグループ(NTT DoCoMo等)やソフトバンクなどが「ラスト・ワン・マイル」の次世代技術としてWiMAXの推進を計画しているが、両社はこうした次世代通信・放送事業者に対し、高速データ通信、音声、ビデオのトリプル・プレイやこれらの融合による高付加価値サービスを可能とするソリューションを提供するという。
SOMAのシステムでは、基地局とソーマ・ポートと呼ばれる無線受信端末(事務所や家庭で一般電源に差し込むだけで設置可能)間の5マイル以上のブロードバンド・アクセスが可能となるだけではなく、固定電話品質の通話サービスやビデオ・ストリーミング、ビデオ・コンファレンス等の色々なアプリケーション提供もできる。また、他のワイヤレス・ブロードバンド技術にはない下記のような特徴を有している。
まずはNLOS(Non Line Of Site)。基地局と無線受信端末間に遮蔽物があっても対応可能になる。
次に、高度な圧縮技術や、アプリケーションの特性にあわせた伝送最適化の技術等により、伝送容量を5~10倍に有効活用できる点。1Mbpsで5~10Mbpsのパフォーマンスを実現できるというもの。
そして、高速データ通信、音声、ビデオの融合アプリケーションに対応可能だという点。(他のワイヤレス・ブロードバンド技術は現状ではデータ通信のみ)
最後に、ソフトウェアのダウンロードによるシステム・アップグレードや通信プロトコル転換が可能だということ。例えば、既に商用化が進んでいるWCDMAをベースに事業を開始し、WiMAXの実用化が進んだ段階で切り替える(或いは併用する)ことが可能。事業者は将来の技術進歩によるリスクを吸収できる。
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