- 2006/02/16 掲載
IDC Japan、国内ITサービス市場のベンダー競合分析結果を発表

これによると、2005年9月中間期のベンダーの戦略が、ITサービス売上成長率に大きく影響したことが浮き彫りになった。
2005年の国内ITサービス市場は2003年までの低成長を脱し、徐々に成長率が高まっているという。しかし、受注案件数は増加してきているものの、案件小型化の傾向が継続し、ユーザー企業からの価格抑制圧力も強く、ベンダーの収益性確保は容易ではない状況となっている。
今回の調査結果から、収益性優先を明確に表明しているベンダーでは、2005年9月中間期のITサービス売上成長率は対前年同期比で低調である一方、売上拡大を優先させているベンダーは順調に売上を伸ばしていることが明らかになった。
低価格化により中堅・中小が売上拡大
また、案件小型化が進行するなか、低価格でサービスを提供する中堅・中小ベンダーが受注を伸ばし、大手ベンダーより中堅・中小ベンダーの売上拡大が顕著となった。
平均サービス価格は下げ止まりつつあるが、これは主に2次請けベンダーや中堅・中小ベンダーのサービス価格で発生している現象であると分析し、大手ベンダーが収益性を確保するためには、こうした2次請けベンダーへの外注率を高めるだけでは不十分であるとみている。
IDC Japan ITサービスグループマネージャー 伊藤未明は、「サービス生産性と品質の向上に向けた地道な努力を重ねることがベンダーにとって重要である。特に、売上拡大と収益性確保のトレードオフから脱却するために、新たなユーザーニーズに焦点を当て、潜在的な市場機会を顕在化させることが必要となる。異業種間のシステム連携による新たなソリューションの提供や、柔軟性と安定性を強化したITサービスの提供などを通じて新たな市場の開拓を目指すべきであろう」と述べている。
IDCの発行したレポート「国内ITサービス市場 2005年9月期におけるベンダー競合分析」にその詳細が掲載されている。
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