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  • 2019/03/08 掲載
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デジタル技術を活用し、新たなビジネス価値を創出するデジタル・トランスフォーメーション(DX)は、業界、企業規模を問わず、あらゆる企業にとっての経営課題となっている。DX時代に求められるレガシーシステムの移行、ITインフラや運用管理、IT部門の役割とは何か? 経産省と東証による「攻めのIT経営銘柄」に4年連続で選定され、DXに積極的に取り組むJFEスチールの新田 哲氏と、日本アイ・ビー・エム(IBM)の渡辺 公成氏に聞いた。

中国の急激な台頭などで、変革は待ったなしの状況

──鉄鋼業界では近年、どのような変化が起きていますか?

新田 哲氏(以下、新田氏):1つには世界経済における中国の急速な台頭によるマーケットの変化があります。鉄鋼業界も例外ではなく、全世界の年間18億トンの粗鋼生産高のうち、中国は約半分の9億トンを占め、この分野での躍進は著しいものがあります。

 また国内に目を向けた場合、業界再編や市場のニーズの変化などがありますが、原材料価格の高騰という大きな要因もあります。原料となる鉄鉱石や石炭の価格は、以前は安定的でしたが、2000年頃から大きく変動しています。

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JFEスチール 常務執行役員 IT改革推進部長
新田 哲氏

──業界の再編や、中国を中心とした新興企業の台頭、さらに市場のニーズの変化で、世界の勢力図は大きく変わっているのですね。

新田氏:はい。市場のグローバル化に伴う需要変動なども相まって、鉄鋼業界は“変化の激しい業界”となりました。こうした変化にスピーディにマネージメントサイクルを回していく必要があります。そのために、デジタル・トランスフォーメーション(DX)は重要な要素となります。

 当社は川崎製鉄と日本鋼管が経営統合し、2003年にJFEスチールとなりました。「常に新たな価値を創造し、お客さまとともに成長するグローバル鉄鋼サプライヤー」となることを目指し、「IT構造改革の断行」、「IT活用レベルの高度化」、「ITのリスクの管理強化(セキュリティ)」という、ITに関する3つの施策をバランスよく推進しながらDXにも果敢に取り組んでいく考えです。


渡辺公成氏(以下、渡辺氏):このようなビジネス環境の急速な変化は、他の業界にも同様に起こっていますね。企業がいわば「攻め」のDXを推進するにあたっては、共通のテーマや方向性があるのではないでしょうか。すなわち、重要な基幹システムやレガシーシステムをどのようにこれからの時代に合うようにトランスフォーメーションしていくか、またできるだけ効率よく「守る」かが大きなテーマとなっています。

 まず、こうしたレガシーシステムのトランスフォーメーションについておうかがいしたいのですが、JFEグループではどのように取り組んでいますか?

この記事の続き >>
・「攻めのIT」というとAI、IoTといったキーワードが先行するが…本当に大事なのは?
・「攻め」のITを実現するには…本当は何が必要か
・JFEがITインフラの構築時間を大幅に短縮したクラウドと自動化技術の活用法とは
・IT部門の役割は「改革オリエンテッド」に変わる

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