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  • 2018/02/02 掲載
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ビジネスのデジタル化とともに、企業システムはより複雑化し、扱うデータ量も増大している。そこで問題になるのが「バックアップ」だ。東日本大震災をきっかけに、事業継続/ディザスタリカバリー(以下、BCP/DR)対策の一環として企業のバックアップ環境は強化された。しかし、今度はシステムの複雑化、データ増大という新たな課題への対応が求められている。こうした課題をどう解決するのか。アイ・ティ・アール 取締役 リサーチ統括ディレクター プリンシパル・アナリストを務める金谷 敏尊氏に、これからの時代に求められるバックアップの考え方を聞いた。


複雑化するシステムと増大するデータ、求められる新しいバックアップの仕組み

 ビジネスの多様化に伴い、システム環境も複雑化している。オンプレミス/クラウドが混在する「ハイブリッド」、複数のクラウドサービスを利用する「マルチクラウド」などだ。さらに、ビジネスで利用するデバイスも多様化している。こうしたシステム/デバイスの管理に頭を抱えているIT管理者も少なくないだろう。

 さらに、データの増大も著しい。IoT(Internet of Things)やデータ駆動型ビジネスの普及に伴い、企業が扱うデータ量は飛躍的に増大している。しかも、こうしたデータはさまざまな場所に分散して保存されているのが実態だ。アイ・ティ・アールの金谷 敏尊氏は、「今後、この傾向がさらに加速するのは間違いありません」と指摘したうえで、以下のように説明する。

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アイ・ティ・アール
取締役 リサーチ統括ディレクター プリンシパル・アナリスト
金谷 敏尊氏

「IoT、ビッグデータ、Webマーケティングなどのニーズから、企業が管理すべきデータは増大の一途をたどっています。海外では製造業系企業がデジタルカンパニーを標榜し、データやソフトウェアを活用することでものづくりからサービスビジネスに転換する『サービタイゼーション』の例も多くみられます。データをいかに管理し、活用するかは従来より企業ITの課題でしたが、その重要度はますます高まっています」(金谷氏)

 こうした中、改めて考えたいのがバックアップ/リカバリ対策だ。2011年3月11日に発生した東日本大震災をきっかけに、企業におけるバックアップ/リカバリを含めたBCP/DR対策は急速に進んだ。その傾向は定着し、IT予算に占めるBCP/DR費用は高い水準で推移している。

画像
IT予算額に対するリスク対策費用割合の経年変化(2013~2017年度)
(出典:ITR「IT投資動向調査2018」)

 しかし今後は、BCP/DRに加えて、システムの複雑化、データ増大にも対応できる、新たなバックアップ/リカバリの仕組みが必要になることは言うまでもない。

この記事の続き >>
・現在のバックアップ/リカバリシステムが抱える課題とは
・実は「コスト減」につながるバックアップの見直し
・バックアップは「経営課題」と心得よ

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