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  • 2018/01/17 掲載

2018年は改めて「ネットワーク」を本気で考えるべき

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企業の「デジタル化」が進む中、今後データが爆発的に増大するのは間違いない。ところが、そのデータの通り道である「ネットワーク」を真剣に心配している企業は少ない。しかし、現在のネットワークは、爆発的に増大するテータに本当に対応できるのだろうか? そこに問題があるとしたら、企業はどう対応すればよいのか。
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なぜ今改めてネットワークなのか?
(©Victoria - Fotolia)

エッジコンピューティングは根本的な解決にならない

 昨年の10月1日、急増するネット通販の拡大による物量増大と深刻な人手不足を受けて、ヤマト運輸が宅配便の運賃を値上げした。端的にいえば、配送量がキャパシティを超えたのだ。昨年末には、その超えた荷物が、値上げを見送った日本郵便に流れ込み、その配送システムが悲鳴を上げたというニュースが話題になった。

 これは物理的なモノを運ぶ世界で起きている現実だが、実はインターネットの世界でも、今後、同様の問題が起きる可能性がある。IoT、AIの進化、モバイルデバイスの普及により、今インターネットを流れるデータは爆発的に増大している。

 企業のデジタルトランスフォーメーションが、その流れにさらに拍車をかける。既存ビジネスの変革や新しいビジネスの創出には、膨大なデータの収集・分析が不可欠だからだ。

 ところが、多くの企業は「それでネットワークは大丈夫なのか?」とは心配しない。あたかもそれは、多くの企業が「宅配便は時間どおりに配送されるのが当たり前」と思い込んでいるのに似ている。しかし、現実はそうではなかった。

 こうしたネットワークへの懸念を解消する1つのアイデアが「エッジコンピューティング」だ。しかし、ライムライト・ネットワークス・ジャパン 日本法人代表 田所 隆幸氏は、エッジコンピューティングは根本的な解決にはならないと一蹴する。

「エッジコンピューティングは、PCやスマートフォン、タブレットなどの端末に近い場所(『エッジ』)にサーバを分散配置する手法です。エッジでデータを処理するので、確かに端末とクラウド間の通信遅延などの問題をある程度は解消できますが、ネットワークそのものが増大するデータに耐えられなければ、意味はありません」(田所氏)

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ライムライト・ネットワークス・ジャパン
日本法人代表
田所 隆幸氏

 宅配便にたとえるなら、エッジコンピューティングは各地域に集荷場を増やしたり、各戸に宅配ボックスを設置したりするのに似ている。確かにエッジでの荷動きはスムーズになるが、そもそも道路が混んで宅配トラックが動かなければ意味はない。やはり、重要なのは「ネットワーク」そのものなのだ。

混雑する高速道路を"バイパス"するプライベートルートの重要性

 爆発的に増大するデータによって、今後、インターネットは確実により混雑する。多くの企業がビジネスのデジタル化に取り組んでいるが、「ネットワーク」がその足を引っ張りかねないのである。

 そこで注目したいのがCDN(Content Delivery Network)だ。ライムライト・ネットワークスはCDNベンダーの雄である。動画やゲーム等の配信で注目されることの多いCDNだが、今後、通常のデータの"通り道"としても一層注目を集めるだろう。

「弊社の強みは、世界各国の拠点を結ぶ世界最大規模のプライベートネットワークを自ら運用していることです。インターネットを高速道路にたとえるなら、弊社のネットワークは、その迂回路にあたります。高速道路が混んでいたら、我々の迂回路を利用することで、データをスムーズに運ぶことができるのです」(田所氏)

 ライムライト・ネットワークスのCDNの特徴の1つは、ソフトウェアによる制御に優れていることだ。CDNを管理する独自のオペレーティング・システム「EdgePrism(エッジプリズム)」を開発し、データ配送の最適化・高速化を行っている。また、EdgePrismと連携してネットワークを流れる膨大なデータを活用する仕組み(EdgeQuery)も用意されている。

「EdgeQueryは、ユーザーの接続状態を常時監視し、リアルタイムに解析しています。たとえば、ファイルのダウンロード数やユーザーの属性などのコンテンツアクセスに関する情報がすべて蓄積されていますので、その情報をビジネスの改善や新しいビジネスの創出に役立てることも可能です」(田所氏)

セキュリティも「ネットワーク」がカギ、Miraiクラスの攻撃にも耐えられるCDN

 「ネットワーク」が注目されるのは、セキュリティの領域でも変わらない。特に、標的となるサーバに大量のパケットを送りつけるDDoS攻撃に対しては、サーバの手前にある「ネットワーク」で防ぐ、もしくは緩和する以外に、抜本的な対策はない。その防御・緩衝用のネットワークとなるのがCDNだ。

 そして今後は、IoTデバイスを使った大規模攻撃の増加が懸念される。しかし田所氏は、同社のCDNの防御力について、次のように自信を見せる。

「2016年、ネットワークカメラや家庭用ルータなどのIoT機器に感染してボットネットを構築し、DDoS攻撃を仕掛けるマルウェア『Mirai(ミライ)』の被害が話題になりました。しかし弊社のCDNであれば、仮にMiraiクラスの攻撃が発生しても、十分に耐えられます。その理由は、配信拠点がグローバルに分散され、それぞれの拠点が膨大な配信キャパシティを持っているからです」(田所氏)

 ただし、最近は大規模なDDoS攻撃をカモフラージュとして利用し、小規模な「ローアンドスロー」(少しずつ、ゆっくりと行われる)攻撃でマルウェアを植え付ける新しいDDoS攻撃も注目されている。

 CDNは、こうした攻撃にも有効だ。CDNを流れるパケットをリアルタイムで監視し、マシンラーニング等を活用していつもとは異なるパターンを検出してブロックすることも可能だからだ。ライムライト・ネットワークスが提供するSecurity Alert、WAF Expressなどで構成されるLimelight Cloud Security Serviceは、まさにこうした機能を提供するサービスだ。

「一方でパフォーマンスも重要です。セキュリティサービスを導入した結果、ネットワークが遅延しては意味がありません。パフォーマンスを落とすことなく、さまざまなセキュリティサービスを提供できるのは、弊社の強みです」(田所氏)

ネットワークの遅延最小化で、ライブストリーミングが本格普及

 2018年の冬季オリンピックとサッカーワールドカップ、2019年のラグビーワールドカップ、そして2020年の東京オリンピックと、これからの数年はスポーツのビッグイベントが目白押しだ。

 いうまでもなく、スポーツはコンテンツの王様だ。ただしそれは、リアルタイムであることに意味がある。その点で、これまでのインターネットは、ケーブルテレビや地上波テレビに遅れをとってきた。インターネット回線を利用するライブストリーミングでは、どうしても遅延(レイテンシ)が発生するからだ。やはりここでも「ネットワーク」がカギを握っている。

「地上波やケーブルテレビなどでのライブ放送では、遅延(撮影現場と視聴者が映像を見るまでの時間差)は数秒ですが、ライブストリームをインターネット経由で配信する場合は30秒から1分程度になるのが一般的です。これは、現在ビデオストリーミングで主に使用されていれるHTTPベースのチャンクストリーミングプロトコルであるHLSおよびDASHの限界です。

 しかし、弊社のスモールチャンクストリーミング技術を利用すると、わずか数秒の遅延でライブストリームを配信できます。そして、2018年中に、さらに低レイテンシを可能にするソリューションも提供します」(田所氏)

2018年は「ネットワーク」が注目される年だ

 爆発的に増大するデータを受け止めるには、「ネットワーク」そのものを増強する以外に手はない。その「増強」には物量を意味するハードウェア的な増強と、プロトコルの改良やデータ圧縮、転送の効率化といったソフトウェア的な増強がある。その両方にバランスよく投資しているのが、ライムライト・ネットワークスだ。

 「ネットワーク」はセキュリティ対策にも欠かせない。ウイルス対策やファイアウォールが多層防御に不可欠であるように、CDNを活用した対策も、多層防御に加えるべき構成要素といえるだろう。

 レイテンシが最小化された「ネットワーク」は、メディアの姿も変えるだろう。これから数年間続くスポーツのビッグイベントを通じて、多くの視聴者は、ネットがあればライブ映像を"普通に"視聴できることに気づくはずだ。それは、従来のメディアにとって間違いなく脅威になる。

 2018年は「ネットワーク」が注目される年になる。それはつまり、世界最大のプライベートネットワークを持つライムライト・ネットワークスが注目されると言い換えてもよいだろう。

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会社情報
ライムライト・ネットワークス・ジャパン株式会社
URL: https://jp.limelight.com/
TEL: 03-5771-4230
所在地:  東京都港区北青山2丁目7番28号 NAビルディング 2F
事業内容: インターネットによるデジタルコンテンツ配信のためのソリューションの提供、サービス導入に関連するコンサルティングサービス


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