一石四鳥で大成功「タカラバイオのDX戦略」、毎日1時間の時短を叶えた“脱ISDN”とは
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ISDN回線の利用で抱えていた大問題
タカラバイオは、2020年に策定した中期経営計画において「業務管理・プロセスの見直し、IT基盤の一層の整備・活用による業務の効率化や生産性の向上をはかる」とし、デジタル化やDXの取り組みを全社で進めている。それは財務・経理部門も同様だ。同部門では長年利用していた会計システムの刷新など、業務の効率化や時間外労働の削減に取り組んでいるが、その1つに2024年1月末に終了するISDN回線への対応がある。タカラバイオ 財務部 次長 林 徹氏は次のように説明する。
「ISDN回線に接続した専用のパソコンを用いて、国内外の取引先への支払いや従業員の給与などの振り込み依頼データを銀行に送信していたため、その代替手段を早急に用意する必要がありました。入出金明細については、担当者が複数の銀行のインターネットバンキングにログインし、毎日朝と夕の2回、取得していたことが大変な負荷でした。またデータを送信できないトラブルが年に2~3回あったことも大きな問題となっていました」(林氏)
期日までに給与などを振り込むには、決められた日時までに振り込みデータを銀行へ送らなければならない。万が一データが遅れたら、従業員の生活や取引先に大きい影響があるだけでなく、自社の信用にも関わってくる。そこで同社はISDN回線の終了をきっかけに、より安定的に振り込みデータを送信でき、かつ入出金明細も容易に取得できる新たな仕組みを模索することになった。
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