小田急不動産の経理がバンキングシステムで一新した理由、「DX推進」の軌跡とは?
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回線の異なるシステムの非効率さが「柔軟な働き方」を阻害
小田急不動産は、小田急グループにおける不動産事業の中核を担う企業である。その資金管理を担当しているのが、経営企画本部 経理部 財務・資材グループだ。個人の賃貸から大手企業の不動産までを扱うため、管理する金額の振れ幅が大きく業務も多岐にわたる。また、取引先への支払いが遅れると、相手企業の事業継続に影響を与えるため、その責任は非常に重い。したがって、少ない人数で効率的に、かつ着実に業務を遂行することが同グループの重要な命題となっている。
同グループでは資金管理を2つのシステムで行っていたが、これが業務の非効率につながっていたと、経営企画本部 経理部 財務・資材グループ チーフ 小澤 哲也氏は説明する。
「2つのシステムのうち、1つは社内口座の資金移動や残高照会などを担い、もう1つは全銀ファイルの伝送や照会・取得などを行っていました。社内にある1台の共有PCで、2つのシステムを切り替えて使っていたので、同時に複数の作業ができずとても非効率でした」(小澤氏)
また、使用する回線も異なっていた。一方はVALUXを利用したインターネット回線だったのに対し、一方は公衆回線を使用していた。
「ISDN回線は2024年1月にサービス終了します。当社では各部門で口座を持っている都合で取引銀行・管理口座ともに非常に多かったため、早期の対応が必要でした。併せて、在宅勤務の対応をはじめとして、システムだけでなく働き方そのものを改善することを目指したとき、2つのシステムの統合は必要不可欠だと考えました」(小澤氏)
新しい仕組みが求められた背景にはコロナ禍をきっかけとする事業継続への懸念もあったと、経営企画本部 経理部 財務・資材グループ 安食 幸子 氏は次のように説明する。
「セキュリティ対策として、システム利用に必要な電子証明書は部門共有のPCにのみ入っていたため、出社制限のあったコロナ禍では財務担当の4人が2人のチームに分かれて日替わりで出社しました。在宅勤務でできることも限定的だったため、業務負荷も大きく、日々の業務を回すのに精一杯の状態が続いていました。経理部でも在宅勤務やリモート対応ができないと、有事の際に社内外に大きな損害が出る懸念を感じました」(安食氏)
こうして同社は、ISDN回線からの脱却と2つのシステムの統合による業務効率化、さらにBCP対策の整備による働き方改革とDX推進を検討することになった。業務フローの見直しや改善により「DXが生み出す時間を、新たな課題に取り組む時間に充てる体制の実現」までの軌跡を解説する。
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