２週間足らずで４度のシステム障害を起こしたみずほ銀行。個別の障害の要因は判明しているが、「なぜ短期間にトラブルが連続したのか」「なぜみずほに障害が集中するのか」といった根本的な原因究明のめどは立っていない。顧客の不安や動揺は高まる一方で、親会社のみずほフィナンシャルグループを含め経営責任を問われるのは必至だ。

外貨建て送金で約３００件の遅れが生じた１１日の障害は、データセンターの機器が故障し、予備の機器にも切り替わらなかったのが理由という。１２日夜に緊急記者会見した藤原弘治頭取は「立て続けにトラブルが起き、断腸の思い」と、システムを抜本的に点検する考えを示した。

一方、現金自動預払機（ＡＴＭ）の約８割が停止した２月２８日の障害は、定期預金のデータ更新にデジタル口座への情報移行作業が加わり、システムに過大な負荷がかかって発生した。休日の要員不足や顧客対応の不備も混乱に拍車を掛けた。

３月３日にはハードウエアの不具合によるシステム拠点をつなぐネットワークの寸断、７日はカードローンのプログラム更新作業で問題が発生した。ただ、それぞれの障害に「（共通の）因果関係は見いだせていない」（藤原頭取）。過去の大規模障害を反省に、２０１９年に行ったシステム刷新との関連も不明だ。

４度目のトラブル公表から一夜明けた１３日朝、アパレル関係の３０代女性は「出勤前に入金したかったが怖くてやめた」と語った。みずほ銀は、外部の専門家を交えて検証作業を進めているが、金融庁が月内に命じた原因究明や再発防止策の報告がどこまで仕上がるか不透明感も漂う。

【時事通信社】