- 2021/03/13 掲載
懸念される「みずほ離れ」=4度目障害、法人顧客にも影響
みずほ銀行で再びシステム障害が発生した。2月末に発生した現金自動預払機(ATM)の8割が一時停止する大規模障害に始まり、わずか10日余りで4度目のトラブル。しかも今回は法人顧客の外貨建て送金で遅れが生じるなど、影響は顧客企業の業務にも及んだ。みずほのブランドイメージは地に落ち、個人ばかりか企業の「みずほ離れ」も進みかねない状況だ。
「多くの顧客にご迷惑をお掛けしたのは痛恨の思いだ」。12日夜に緊急記者会見を行った藤原弘治頭取は、うなだれながら謝罪を繰り返した。
みずほ銀は相次ぐシステム障害を受け、再発防止策を月内に策定するための検証作業を本格化。金融庁が出した3度の報告命令への対応を急いでいた。その矢先のトラブルだけに、関係者のショックは大きい。
みずほ銀によると、今回の障害はこれまでと異なり、データセンターの機器の故障が原因。現時点では、2002年、11年の大規模障害を経て19年に本格稼働させた新システムに問題があるのかは分かっていない。しかし、結果的にトラブルが続発していることは事実で、金融庁幹部は「なぜみずほだけ障害が発生するのか」とため息をつく。
銀行システムなどに詳しい東洋大学の島田裕次教授は「新システムは順調に稼働していると思っていたが、もっと深いところに問題があるのではないか」と指摘する。親会社のみずほフィナンシャルグループとともに、病巣を完全に除去しない限り顧客の不信や不安は消えない。
【時事通信社】
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