- 2021/02/26 掲載
トヨタ、FCV用燃料電池パッケージ製品販売へ 水素利用促進
燃料電池は水素と空気中の酸素を反応させて発電。水素は化石燃料のように二酸化炭素を出さず、エネルギー効率にも優れているため、環境問題を解決する次世代エネルギーとして注目されている。トヨタはFCVを「究極のエコカー」として、普及に力を入れている。
トヨタはこのほど、20年に発売した新型ミライ用として生産している、電気出力を変換するコンバーターや水素と酸素を反応させて発電するスタックといった部品を1つにまとめ、パッケージ化した。コンバータを内蔵したことでモーター、インバーター、バッテリーなどを備えた既存の電気機器に直接接続でき、より簡単にFC製品の開発や製造が可能になり、利便性が向上した。これまでは各部品をばらばらに販売していた。
出力は60キロワットと80キロワットの2種類、それぞれ縦型と横型の計4タイプを用意。用途に応じて4タイプを組み合わせることができる。自動車向けにつくられているため、安全性が高く、温度変化や振動にも強い。販売価格は取引ごとに異なり、販売計画と合わせて非公表としている。トヨタは15年からFCV関連特許を無料開放している。今回のパッケージ製品は、多くのFC製品事業者からの「自社製品に適合させやすいFCシステム」が欲しいという要望を形にした。
トヨタは20年代に、バスなども含めたFCVの世界販売で年間3万台以上を目指しており、拡販に備えてFCスタックなどの基幹部品の生産設備も拡充してきているが、今回のFCシステムのパッケージ製品の販売は、今のところ現在の生産能力の範囲内で対応可能としている。
(白木真紀)
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