- 2021/02/26 掲載
G20財務相・中銀総裁会議、景気対策の継続表明へ=関係筋
また、低所得国の新型コロナウイルス対応を支えるための国際通貨基金(IMF)のリソース拡大の議論も予想される。
あるG20関係者は「会議では、早期の力強い景気回復に向けた財政政策の必要性について議論される。財政出動の拙速な縮小によるリスクを回避するためだ」と語った。
米国ではバイデン政権が1兆9000億ドルの追加経済政策を打ち出し、欧州連合(EU)も既に3兆ユーロを上回る景気対策を講じている。
ただ、新型コロナのワクチンを途上国も含め全世界へ普及させる上での課題や、変異株の急速な感染拡大により、世界経済の先行きは依然不透明だ。
国際通貨基金(IMF)は、米経済が年末にはコロナ危機前の状態に回復すると見込む。一方、欧州経済については、危機前の水準に戻るのは2022年年央になると予想している。
別のG20関係者は「当初はV字型回復が期待されていたが、U字型回復になる可能性が高まっている。そのため、引き続き経済を下支えするため、ほぼ全てのG20で刺激策の継続が必要とされている」と説明した。
低所得国の新型コロナ対策を巡っては、IMFが昨年、感染対策の原資を捻出するためIMFの準備資産である特別引き出し権(SDR)の5000億ドルの新規配分を提案した。ただ、トランプ前米政権がこの案に反対し、実現しなかった。
一方、バイデン新政権でこの状況が変わる可能性がある。イエレン米財務長官は25日、IMFに送った書簡で「低所得国を支援するための国際的な行動がなければ、世界経済に危険で恒久的な格差をもたらす恐れがある」と指摘。「SDRを新たに割り当てることで低所得国の流動性を強化し、公衆衛生や経済の回復に向けた努力を促進することができる」と表明した。
PR
PR
PR