- 2020/12/23 掲載
米中古住宅販売、11月は-2.5% 在庫不足などで半年ぶり減少
中古住宅は住宅販売の大半を占める。11月の前年同月比は25.8%増だった。
地域別では南部と中西部、北東部で減少。西部は横ばいだった。
繰延需要や過去最低水準の住宅ローン金利を背景に、住宅市場は米経済の中で他部門よりはるかに好調だ。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により労働力人口の21.8%が在宅勤務している。在宅オフィスや在宅学習のために広い家を求め郊外や人口が少ない地域に人が移っている。
新型コロナにより米経済は2月に景気後退(リセッション)入りした。打撃を受けた人は低賃金労働者に偏っている。米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、米国の30年固定住宅ローン金利は平均約2.67%で、統計を開始した1971年以降最も低い水準。
住宅の供給が需要に追い付いておらず、建設業者が建設ペースを上げているものの、住宅価格は初めての購入者の多くにとって手が届かない水準に上がっている。米商務省が先週発表した11月の住宅着工件数は、住宅市場で最も大きなシェアを占める一戸建て住宅の建設が2007年4月以来の高水準となった。
住宅在庫は前年同月比22.0%減の128万戸と、過去最低水準だった。販売価格の中央値は前年同月比14.6%増の31万0800ドルとなった。売り上げは高価格帯の住宅に集中していた。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は先週、中銀は住宅やその他の資産の価格を注視しているものの「金融の安定という観点から住宅価格は現時点で不安視する水準ではない」と指摘。住宅価格の上昇は「需要の多さを反映しているだけだ」と述べた。
11月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は2.3カ月と、統計開始以来の短さになった。健全な需給バランスには6─7カ月が適切とされている。
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