- 2020/11/12 掲載
NY市場サマリー(11日)ドル上昇、ナスダック反発
<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では米ドルが上昇し、安全資産とされる円が下落した。新型コロナウイルスワクチンの有効性を巡る報道を受け、市場では利回り上昇と景気見通しを巡る調整が続いている。
ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのマクロストラテジスト、エリック・ネルソン氏は、株式上昇に伴ってドルが上昇を開始しているとし、過去数カ月の動きから大きく変化したと指摘。
また、「米利回りの上昇は、株式とドルの関係が進化し始める重要な転換点になるかもしれない。実質または名目の利回りを見ると、ユーロよりもドルを保有する魅力がますます高まっている」と述べた。
前週末に0.82%だった米10年債利回りは、前日終盤に0.972%まで上昇した。
ドル指数<=USD>は0.3%高。前日は横ばい、9日は0.5%高だった。
この日も欧米市場で株価が上昇。ハイテク株中心のナスダック総合<.IXIC>は約2%高だった。
CIBCキャピタル・マーケッツのG10為替戦略責任者、ジェレミー・ストレッチ氏は「(ワクチンの)ニュースは間違いなくポジティブだが、詳細を見て全体のプロセスへの影響を考える必要がある」とし、ワクチンがまだ承認されていないことを忘れてはいけないと述べた。
ユーロ<EUR=EBS>は0.3%安の1.177ドル。ドルは対円<JPY=EBS>で0.3%高の105.46円。
ドルは貿易の影響を受けやすいノルウェークローネ<NOK=D3>に対して0.7%高の9.084クローネ。豪ドル<AUD=D3>は対ドルで0.2%安の0.7276ドル。
カナダドル<CAD=D3>は対ドルで1.3069カナダドルに下落した。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 休場
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 米国株式市場はナスダックが2%高で取引を終えた。新型コロナウイルスの感染拡大を巡る懸念から、景気敏感株を売ってハイテク株を買い戻す動きが優勢となった。
ここ2日間大きく下げていたナスダック総合<.IXIC>は、巣ごもり関連株への買いに支えられて反発。マイクロソフト<MSFT.O>とネットフリックス<NFLX.O>は2%超、アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>とアップル<AAPL.O>は3%超、それぞれ上昇した。
新型コロナワクチン開発の進展に関する9日のニュースを受け、ハイテク株から工業<.SPLRCI>、素材<.SPLRCM>、エネルギー<.SPNY>などのセクターへのシフトが目立っていた。
この日はこうした流れが一転し、ハイテク株を含むS&P成長株指数<.IGX>が上昇、金融、エネルギーなどを含むバリュー株指数<.IVX>が下落した。
シティ・パーソナル・ウェルス・マネジメントの統制戦略責任者、ショーン・シュナイダー氏は「こうした断続的な循環物色はおそらく春まで続くだろう」とし、「ハイテク企業の業績は依然として非常に堅調で、冬場のコロナ感染者急増や外出制限の再導入といった可能性になお直面していることに変わりはない」との見方を示した。
カリフォルニア州や中西部、北東部の州では、感染抑制に向けて制限措置の強化に動いており、一部の小売り、外食関連銘柄が下落。百貨店のメーシーズ<M.N>は4.4%安となった。
S&P総合500種の主要11セクターでは、情報技術<.SPLRCT>が2.4%高で上げを主導。アマゾンを構成銘柄に含む一般消費財<.SPLRCD>も好調だった。半面、素材<.SPLRCM>は1.4%安、工業<.SPLRCI>、エネルギー<.SPNY>はいずれも0.8%超下落した。
配車サービスのリフト<LYFT.O>は1%高。料理宅配市場への参入に向けて新サービスを計画していると発表した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.09対1の比率で上回った。ナスダックでは1.31対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は96億5000万株。直近20営業日の平均は99億4000万株。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 対ユーロでのドル高を背景に売られ、反落した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前日比14.80ドル(0.79%)安の1オンス=1861.60ドル。
外国為替市場では、対ユーロでドル高が進行。ドル建てで取引される金塊などの商品の割高感につながり、金が売られた。また、新型コロナウイルスのワクチン開発進展による経済正常化への期待が高まる中、投資家のリスク回避姿勢が後退。安全資産としての金は売られやすかった。
ただ、欧米を中心とした新型コロナウイルスの感染再拡大に歯止めはかかっておらず、投資家の警戒感は依然として根強い。市場には、1900ドルの節目が上値抵抗線となっており、今週の安値の1848ドルが下値支持線との見方もある。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 小幅続伸した。新型コロナウイルスのワクチン開発進展による経済正常化への期待が支えとなった。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比0.09ドル(0.1%)高の1バレル=41.45ドルだった。1月物は0.07ドル高の41.74ドル。
米製薬大手ファイザーは今週初め、独ビオンテックと共同開発する新型コロナウイルスのワクチンについて、9割超の有効性が確認されたと発表した。ワクチン実用化期待から景気先行き懸念がひとまず後退。エネルギー需要見通しに楽観的な見方が広がったことで、引き続き原油が買われた。
米石油協会(API)が前日発表した米原油在庫は前週比510万バレル減と、市場予想(ロイター通信調べ)の90万バレル減を大きく上回る取り崩しとなった。これを受けて、需給引き締まり観測が強まったことも相場の支援材料。11日がベテランズデー(退役軍人の日)のため、米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計は12日の米国東部時間午前11時に発表される。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
*内容を追加しました
ドル/円 NY終値 105.42/105.44 <JPY22H=>
始値 105.44 <JPY=>
高値 105.67
安値 105.39
ユーロ/ドル NY終値 1.1777/1.1779 <EUR22H=>
始値 1.1767 <EUR=>
高値 1.1784
安値 1.1746
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 29397.63 -23.29 -0.08 <.DJI>
前営業日終値 29420.92
ナスダック総合 11786.43 +232.58 +2.01 <.IXIC>
前営業日終値 11553.86
S&P総合500種 3572.66 +27.13 +0.77 <.SPX>
前営業日終値 3545.53
COMEX金 12月限 1861.6 ‐14.8 <GCv1><0#GC:>
前営業日終値 1876.4
COMEX銀 12月限 2426.7 ‐19.5 <SIv1><0#SI:>
前営業日終値 2446.2
北海ブレント 1月限 43.80 +0.19 <LCOc1><0#LCO:>
前営業日終値 43.61
米WTI先物 12月限 41.45 +0.09 <CLc1><0#CL:>
前営業日終値 41.36
CRB商品指数 153.6478 +0.0949 <.TRCCRB>
前営業日終値 153.5529
(※関連情報やアプリは画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)
PR
PR
PR