- 2020/11/11 掲載
ワクチン期待で株式・為替・債券の取引活況、9日は2兆ドル近く
米製薬大手ファイザー<PFE.N>は9日、独バイオ医薬ベンチャーのビオンテック<BNTX.O>と共同開発する新型コロナワクチンの治験で感染を防ぐ有効率が90%を超えたと発表した。[nL4N2HV3XP]
このニュースを受けて株式、為替、債券の各市場で投資家のリスク選好度が高まり、コロナ禍で投資資金の逃避先となっていたハイテク株、円<JPY=>、高格付け債が売られた。
ミラバウド証券のトレーダー、マーク・テイラー氏は、ポートフォリオのバランス調整や信用取引の追加担保差し入れ(追い証)のためのプログラムおよびバスケット売買も取引急増に寄与したと指摘、航空株や銀行株の大商いを例に挙げた。
米国株式市場では全体の売買代金が5000億ドル近くに達した。金融市場が混乱した3月以降でこれほど大商いになった日は少ない。リフィニティブのデータによると、欧州の売買代金は1200億ドルに上った。
米国では、通常は景気循環に敏感なバリュー(割安)株が買い優勢となり、これまで好調だった成長株はさえなかった。
為替市場は、複数通貨での決済サービスを提供する米CLSが取り扱う33の通貨ペアの取引金額が9日に6270億ドルに上った。市場が動揺した3月の取引金額の平均は7070億ドルで、4月には3800億ドルに減っていた。
債券市場の商いも増え、リフィニティブのデータによると、ドイツ国債先物中心限月</FBTPc1>の売買高は今年の平均の1.5倍となる約17万枚となった。
取引プラットフォーム運営会社マーケットアクセスによると、ドイツ国債の9日の全体の売買代金は約90億ユーロ(106億3000万ドル)と、10月以降の1日当たり平均を上回った。
シティバンクの欧州・中東・アフリカ(EMEA)株式取引戦略責任者、ジミー・コンウェイ氏は「現物の取引は過去30日の平均の約3倍で、先物も非常に活況だった」と述べた。
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