- 2020/11/09 掲載
ソフトバンクG、4―9月期純利益は4.4倍 資産売却や市場回復が寄与
[東京 9日 ロイター] - ソフトバンクグループ<9984.T>は9日、2020年4―9月期の連結純利益(国際会計基準)が前年同期比4.4倍の1兆8832億円だったと発表した。資産売却に伴う利益計上に加え、金融市場の復調や新型コロナウイルスの影響によるデジタル需要拡大が追い風となって投資先の公正価値が上昇した。
このうち7─9月期の純利益は6274億円と、4─6月期の1兆2557億円から約半減したが、7001億円の赤字だった前年同期からは大きく改善した。
4―9月の投資利益は2兆0333億円だった。持株会社投資事業の投資利益は5796億円、ビジョンファンドからの投資利益は1兆3366億円(純額1兆4116億円)。TモバイルUSなどの株式売却・資金化を進めた。ファンド事業での新型コロナウイルスの影響は、旅行などの分野の業績回復が鈍い一方、eコマース(電子商取引)やオンライン教育、エンターテインメントなどの分野はデジタル化の進展でプラス影響を受けているとした。
一方、上場株式への投資による損失は、新設した上場株運用子会社「SBノーススター」での損失を含め1317億円だった。
ビジョンファンド2の投資額は26億ドルで、公正価値は76億ドル。中国のオンライン不動産取引プラットフォーム、貝殻找房(KEホールディングス)の上場後の株価上昇が貢献した。SBGはビジョンファンド2に100億ドルの出資をコミットしているとしている。
通信子会社のソフトバンク<9434.T>事業のセグメント利益は前年同期比2.9%増の5332億円。英アーム事業は前期まで計上していた為替差益を計上しなくなった影響で248億円の赤字となり、前年同期の208億円の赤字から赤字幅が拡大した。
4.5兆円の資産の売却・資金化の計画では、資金化額が5.6兆円になった。2兆円の自社株買いの計画は、9月末までに5401億円、その後1393億円を実行した。このほか、国内無担保社債の買い入れやアリババ株を活用した借り入れの返済などを進めた。
中間配当は前年と同額の1株あたり22円にすると10月に発表。年間配当は未定としている。
通期業績予想は公表していない。リフィニティブがまとめたアナリストによる通期の純利益予想の平均は1兆4010億円。
*内容を追加しました。
(平田紀之、久保信博 編集:青山敦子)
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