- 2020/10/22 掲載
ネット証券社長、終日停止に疑問=東証障害で―auカブコム・斎藤氏
インターネット証券大手、auカブコム証券(東京)の斎藤正勝社長は21日までに、インタビューに応じた。東証がシステム障害で株式取引を終日停止した判断に関して「終日停止する必要はあったのか」と疑問を呈し、当日中に取引を再開するべきだったとの考えを示した。
東証によると、障害は機器の故障が直接の原因で、障害後の取引再開の基準も不明確だった。機器を交換しシステムを再起動すると、いったん受け付けた売買注文が失効するため、東証は注文を仲介する証券会社の意向を調査。顧客の同意が得られないなどとして当日中の再開に難色を示す声を無視できず、終日停止を決めた。
投資家の機会損失は2兆円超に上るとされる。斎藤氏は「当社が意見を求められていれば、当日中の再開に賛成した」と強調。今後は、障害が発生した当日の再開を優先すべきだと主張した。
さらに、斎藤氏は東証が「(障害対応)能力の低い方に合わせたのではないか」との見方を示した上で、「そもそも証券会社に聞く必要があったのか。一部の社に忖度(そんたく)して再開するか否かを決めるのは、海外の主要取引所ではあり得ない。東証は『ネバーストップ』精神にこだわってほしい」と訴えた。
東証は証券会社などと協議会を設置し、来年3月をめどに取引再開ルールを明確化する方針だ。
【時事通信社】 〔写真説明〕取材に応じるauカブコム証券の斎藤正勝社長=20日、東京都内
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