- 2020/10/20 掲載
海外勢が2兆円超買い越し、生損保はペースダウン=9月国債売買高
外国人投資家は、合計で2兆1679億円の買い越し。超長期債を4544億円、長期債を1兆0263億円、中期債を6872億円と幅広く買い越した。8月の合計9232億円の売り越しから転じたが、7月は1兆2263億円の買い越しなっており、売買の方向感が月替わりで変化している。
生損保は超長期債を4193億円の買い越し。引き続き高水準だが、4─8月の平均6000億円からはややペースダウンとなり、前年度平均の4097億円並みのレベルとなった。
都銀は、トータルで1120億円の買い越しと、8月の1兆7311億円から大幅減少。超長期債を3816億円、中期債を4646億円買い越したが、長期債を7342億円売り越した。8月は長期債を7378億円買い越していた。
地域金融機関は売り越しに転じた。地銀は長期債中心に4512億円の売り越し、第二地銀も長期債中心に1407億円の売り越し、信用金庫は超長期債と長期債中心に1550億円の売り越しとなった。超長期債は3業態合計で748億円と1月以来の売り越しとなった。
農林系金融機関は合計4444億円の売り越し。超長期債を3267億円と大きく売り越した。超長期債の売り越しは1月以来。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券のシニア債券ストラテジスト、稲留克俊氏は「市場環境が大きく変わらない中で、売買それぞれの主体が大きく変化した。8月までに積み上げてきたポジションの調整なのかどうか、10月以降を見極めたい」と話している。
9月の円債相場で金利は低下傾向だった。日本では菅義偉政権が発足、日米欧の中銀会合もあり、内外でイベントが多かったが、マーケットはほぼ「無風」で通過。大量償還資金などを背景に国債入札をこなした。終盤は米大統領選が近づく中、様子見ムードが強まり、もみあい商状となった。
◎国債投資家別売買高(国庫短期証券を除く)は以下の通り。
利付国債買越額 超長期債買越額 長期債買越額 中期債買越額
都市銀行 1120 3816 ▲ 7342 4646
地方銀行 ▲ 4512 236 ▲ 4198 ▲ 550
信託銀行 7281 3043 1001 3237
農林系金融機関 ▲ 4444 ▲ 3267 ▲ 1177 0
第二地銀協加盟行 ▲ 1407 ▲ 146 ▲ 1111 ▲ 150
信用金庫 ▲ 1550 ▲ 838 ▲ 652 ▲ 60
その他金融機関 ▲ 592 ▲ 132 ▲ 486 26
生保・損保 4396 4193 ▲ 708 911
投資信託 ▲ 32 328 ▲ 201 ▲ 159
官公庁共済組合 ▲ 51 ▲ 51 0 0
事業法人 63 ▲ 27 90 0
その他法人 193 155 38 0
外国人 21679 4544 10263 6872
個人 ▲ 7 0 ▲ 6 ▲ 1
その他 ▲ 44416 ▲ 20472 ▲ 8651 ▲ 15293
債券ディーラー ▲ 508 124 ▲ 156 ▲ 476
合 計 ▲ 22787 ▲ 8494 ▲ 13296 ▲ 997
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