- 2020/10/02 掲載
午後3時のドルは105円前半、トランプ大統領コロナ陽性でリスク回避の円買い
ドル/円
午後3時現在 105.08/10 1.1720/24 123.17/21
午前9時現在 105.54/56 1.1742/46 123.94/98
NY午後5時 105.50/53 1.1747/51 123.95/99
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の105円前半。トランプ米大統領が2日未明、自身とメラニア夫人が新型コロナウイルス検査で陽性だったとツイッターへの投稿で明らかにしたことでリスク回避の円買いが広がり、ドルは105.60円付近から104円後半まで下落した。
トランプ米大統領は1日、側近のヒックス氏の新型コロナ陽性が判明したことを受け、メラニア夫人とともに新型コロナウイルスの検査結果を待つ間、自主隔離に入ると表明した。
外為市場では、リスク回避環境下でドルと円が同時に買われやすいが、正午過ぎに伝わった同報道を受け、ドルがより選好された結果、午後1時過ぎに105.66円まで上昇してきょうの高値を付けた。午前の安値は105.51円だった。
しかし、午後2時ごろにトランプ氏とメラニア夫人が陽性と伝わると市場環境は一変。今度はリスク回避の円買いがドル/円やクロス円で広がった。ドルは一時104.95円まで下落し、9月23日以来9日ぶり安値をつけた。ユーロは一時123.02円まで下落し、9月28日以来の安値をつけた。
市場では「リスク回避の円買いの色彩が濃くなっている。トランプ氏が年齢的に大丈夫かという不安感や、大統領選を乗り切れるのかについて、不透明感も増してきた」とFXプライムbyGMO、常務取締役の上田眞理人氏は指摘する。
同氏は「材料を探している状態だ。目先、米追加経済対策の合意などの強材料が出なければ、こちら(トランプ氏の感染)が中期的に材料視される可能性がある。さらに、投機筋のドルロングがたまっている状況なので、ドル下落のエネルギーになり得る」とみている。
ユーロ/ドルでは、初期反応としてリスク回避のドル買いが進行。ユーロは1.1695ドル付近まで下落した。ただ、その後ユーロは持ち直した。
今夜には9月の米雇用統計が発表される。
米労働省によると、雇用統計では「病気・休暇・その他の理由で休職している」と答えると就業者とみなされるが、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、今年4月の調査から「その他の理由」を選択している人が急増している。「これらの労働者を失業者とみなすと、失業率は約3%上乗せされる」(在米エコノミスト)との指摘もある。
8月の失業率は8.4%だったが、実際は見かけより悪化している可能性が高い。
(為替マーケットチーム)
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