- 2020/10/01 掲載
午後3時のドルは105円半ば、株価の手がかり失い取引が低迷
ドル/円
午後3時現在 105.49/51 1.1746/50 123.93/97
午前9時現在 105.44/46 1.1721/25 123.60/64
NY午後5時 105.45/48 1.1718/22 123.56/60
午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、わずかにドル高/円安の105円半ば。この日は、中国・香港市場が休場だったほか、東証のシステム障害の影響で、株価を手掛かりに取引を行う個人投資家や、株式と為替を連携させた取引を行うAI(人工知能)が休止状態なった。東京市場の流動性は一段と低下し、ドルは方向感に乏しい値動きに終始した。
朝方の取引では実需による期初のドル買いが先行し、ドルは仲値直前に105.55円まで上値を伸ばしたが、買い一巡後は小幅に反落した。
東京証券取引所は1日、システム障害が発生し、全銘柄の売買を終日停止すると発表した。東証では、原因は株式取引システムの「アローヘッド」のハードの故障で、不正アクセスの可能性はないとした。
また、明日以降正常な売買ができるように対応を行うとしている。
この日は欧州通貨が堅調だった。
ユーロは1.17ドル半ば、英ポンドは1.29ドル半ばと、それぞれ10日ぶり高値圏での取引となっている。
欧州通貨は前日、月末・期末の実需のフローを受けて上昇したが、きょうは買い材料もない中で上昇。市場では、前日の米大統領候補による第1回テレビ討論会が「ひどい内容だったので、ドルロングの圧縮を促した」(外国銀)ことの波及効果との指摘もあった。
今夜には、米新規失業保険申請件数が予定されているが、最近の外為市場では、週次で発表される同データ後にドル安が進行したことが何度かあり、今回も警戒されている。
9月24日に発表された同件数は87万件と予想の84万人を上回った。
2日に発表予定の9月の米雇用統計にも関心が注がれている。
米労働省によると、雇用統計では「病気・休暇・その他の理由で休職している」と答えると、就業者とみなされるが、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、今年4月の調査から「その他の理由」を選択している人が急増している。
「これらの労働者を失業者とみなすと、失業率は約3%上乗せされる」(在米エコノミスト)との指摘もある。
8月の失業率は8.4%だったが、実際は見かけより悪化している可能性が高い。
米雇用市場の悪化は「大統領選の行方にも少なからぬ影響を及ぼす」(前出のエコノミスト)とみられるが、現職のトランプ氏に不利に働くのか、同氏の「粗野な発言が、失業者らに不満のはけ口を提供することになるのか、分からない」(同)という。
(為替マーケットチーム)
PR
PR
PR