- 2025/04/11 掲載
ウエルシアとツルハ、25年12月に経営統合 ASEANに集中出店
[東京 11日 ロイター] - イオン傘下のウエルシアホールディングスとツルハホールディングスは11日、株式交換により2025年12月に経営統合すると発表した。売上高2.3兆円のドラッグ連合が誕生することになる。今後、イオンの海外基盤を活用し、東南アジア諸国連合(ASEAN)や中国で拡大を図る。
両社はこれまで、遅くとも2027年末までの経営統合の最終合意を目指すとしていたが、米国での手続きが必要なくなったことで2年前倒しとなる。
ツルハが親会社となり株式交換を実施、その後、イオンが保有するツルハ株式の議決権割合が50.9%に満たない場合は、イオンがツルハ株を1株1万1400円で公開買い付けする。
ウエルシアとツルハは12月1日を効力発生日として株式交換を実施する。株式交換比率は1対1.15でウエルシア1株に対してツルハ1.15株を割り当てる。ただ、ツルハは8月31日末の株主に1対5の株式分割を実施するため、株式分割を考慮する前の株式交換比率は1対0.23となる。
イオンは5月ごろにも野村証券からツルハ株を取得、すでに保有している株式と合わせて所有割合を26.83%とし、持ち分法適用会社とする。ツルハとウエルシアの株式交換などを経て、所有割合が50.9%に達しなかった場合は、ツルハへの公開買い付けを実施し、連結子会社とする。
<32年2月期に売上高3兆円、営業利益率7%目指す>
イオンの吉田昭夫社長は会見で「ドラッグストア業界は店舗の飽和や人口減少などで成長に少し陰りが見え始めている。今回の経営統合により、新しいドラッグストア像を作り上げていく」と述べた。
両社は、サプライチェーンやコスト面、店舗開発などで3年後に500億円のシナジーを見込んでいる。また、2032年2月期に売上高3兆円、営業利益率7%の目標を掲げた。現在、両社併せた国内店舗数は5659店だが、国内では店舗数の拡大にこだわらず、1店舗当たりの売り上げを伸ばしていく。
ウエルシアHDの桐澤英明社長は、環境変化への対応などには「一定の規模が必要」と統合の必要性を説明した。ツルハHDの鶴羽順社長も「環境変化に迅速に対応し、持続的な成長と企業価値向上を図るにはさらなる経営基盤強化と積極的な投資が不可欠」とし「日本ナンバーワンのドラッグストアチェーンからアジアナンバーワンのグローバル企業へと成長する」と述べた。
3社の社長を中心に「ステアリングコミッティ」を定期開催する。中期経営計画策定プロジェクトも発足させ、12月に公表を予定している。
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