- 2025/04/09 掲載
大阪製鉄が自社株消却を中止、流通株式比率巡り「時期を再考」
[東京 9日 ロイター] - 日本製鉄子会社の大阪製鉄は8日、15日に予定していた自社株消却を現時点では実施せず、時期を再考すると発表した。消却を延期しても資本効率向上の目的達成は妨げられず、流通株式比率を向上させる目的を巡ってはストラテジックキャピタル(SC、東京都渋谷区)の保有株式が流通株式に該当するかなどの事情を踏まえて検討する必要があると判断した。
消却の実施時期は引き続き検討するが、現時点では未定という。
大阪製鉄は1月末に発行済み株式の21.29%に当たる自社株取得枠を設定。アクティビストのSCの株式保有を踏まえ、流通株式比率が低下する可能性があるため、日鉄にTOBへの応募を提案した。大阪製鉄はTOBで取得する株式を含めた約1236万株(発行済み株式の29.24%)を4月15日に消却予定としていた。大阪製鉄は株式の流動性確保の目的も含め、福岡証券取引所との重複上場も発表していた。
日鉄と大阪製鉄の「親子関係」を問題視するSCは昨年11月26日、日鉄の取締役に対し、大阪製鉄の完全子会社化や吸収合併などを提案する書簡を送ったと発表。大阪製鉄の株主価値向上のため、上場を維持する場合は日鉄の持ち分削減や経営体制の改革が選択肢になると主張した。
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