連合の春闘賃上げ率5.46％、芳野会長「新たなステージ定着に好発進」

Kentaro Sugiyama

［東京　１４日　ロイター］ - 連合が１４日発表した２０２５年春闘の１次集計によると、基本給を底上げするベースアップ（ベア）と定期昇給（定昇）を合わせた賃上げ率は加重平均で５．４６％となった。前年同時期に比べて０．１８ポイント上昇し、２年連続で５％を超えた。会見した芳野友子会長は「新たなステージの定着に向けて良いスタートが切れた」と評価した。

集計は同日午前１０時時点。「平均賃金方式」で回答を引き出した傘下７６０組合の賃上げ率は加重平均で１万７８２８円・５．４６％だった。ベアを実施したことが明確な６４９組合のベア分は１万２５７１円・３．８４％で、この集計を開始した２０１５年以降、最も高くなった。

３００人未満の中小組合３５１組合の賃上げ率は、加重平均で５．０９％。前年同時期に比べて０．６７ポイント上昇した。中小組合で５％以上となるのは９２年（５．１０％）以来３３年ぶり。

２４年春闘は平均賃上げ率が３３年ぶりの高水準となる５．１％で着地したが、長引くインフレの影響で実質賃金がマイナスとなることが多かった。連合は生活の改善を実感した人は少数にとどまっているとの認識から、２５年の要求水準を「５％以上」に据え置いて取り組んできた。

この結果、事前に取りまとめた要求（定昇分含む）は加重平均６．０９％と、９３年（７．１５％）以３２年ぶりの高水準、企業規模間の格差是正を目指す中小組合は６．５７％と、９４年（６．６７％）以来の高い水準となった。

多くの主要企業が組合要求に回答した１２日の集中回答日で、トヨタ自動車をはじめ満額回答が相次いだことを受け、経団連の十倉雅和会長は「賃金引上げの力強いモメンタム『定着』への着実な一歩を踏み出した」とコメントを発表していた。