- 2025/02/01 掲載
米PCE価格、12月+2.6%に加速 FRB利下げ急がずとの見方
[ワシントン 31日 ロイター] - 米商務省が31日発表した2024年12月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.6%上昇した。伸びは前月の2.4%から加速し、市場予想と一致した。
堅調な個人消費を背景に、前年比での伸びは7カ月ぶりの大きさとなった。米連邦準備理事会(FRB)は利下げ再開を急がない可能性がある。
物価の「瞬間風速」を示す前月比では0.3%上昇し、伸びは24年4月以来の大きさとなった。11月は0.1%上昇していた。
12月はモノの価格が0.2%上昇。自動車・部品のほか、ガソリンなどに押し上げられ、5カ月ぶりに上昇した。サービス価格は0.3%上昇。運輸やレジャーなどが上昇した。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は前年比2.8%上昇。伸びは前月と同じだった。前月比では0.2%上昇し、前月の0.1%上昇から加速した。
<個人消費0.7%増、個人所得0.4%増>
個人消費支出は前月比0.7%増。11月分は当初発表の0.4%増から0.6%増に上方改定された。
12月はモノへの支出が0.9%増加。自動車、食品、ガソリンなどが増加した。サービスへの支出は0.6%増加。住宅・光熱費、運輸、医療などが大きく伸びた。
トランプ政権による関税引き上げへの懸念を背景に、価格が上昇する前に消費者が動いたことで支出が押し上げられたとの見方も出ている。エコノミストは、こうした先行的な消費は1月に入ってからも継続していると指摘している。
インフレ調整後の個人消費支出は0.4%増加した。
個人所得は0.4%増。消費支出の伸びが所得の伸びを上回る中、貯蓄率は3.8%と、前月の4.1%から低下し、2年ぶりの低水準となった。
<FRB利下げ再開を急がずとの見方>
FRBは28─29日に開いた会合で全会一致で金利据え置きを決定。今後の利下げ時期についてはほとんど手掛かりを与えず、トランプ政権の政策を見極めていく姿勢を示した。
ハイ・フリークエンシー・エコノミクスのチーフエコノミスト、カール・ワインバーグ氏は「経済が好調さを維持する中、不確実性の高い環境下で物価が目標に向けて戻るペースは緩慢でしかないことを踏まえ、FRBは今後の利下げペースは抑制的になると見込んでいる」と指摘。「今回のPCE価格指数でこうした見方が裏付けられた」と述べた。
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