- 2024/12/04 掲載
ブラックロック、プライベートクレジットHPSを120億ドルで買収
[3日 ロイター] - 資産運用世界最大手の米ブラックロックは、プライベートクレジットを手がけるHPSインベストメント・パートナーズを120億ドル相当の全額株式交換方式で買収する。両社が3日発表した。
機関投資家が企業に直接融資するプライベートクレジットは、規制強化に伴って伝統的な金融機関による高リスクローンの調達コストが増大する中で近年急成長しており、ブラックロックはHPS買収を通じてこの分野の事業拡大を図る狙いだ。
プレキンのデータによると、昨年末時点で1兆5000億ドルだったプライベートクレジット市場は2029年までに2兆6000億ドルに膨らむ見通し。
ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は、HPS買収によって公開市場とプライベート市場の最良部分を融合させた形のサービスを顧客に届けると説明した。
フィンク氏は以前、プライベートクレジットをブラックロックのオルタナティブ投資における「主要な成長のけん引役」だと位置付けていた。
HPSは07年にJPモルガンの資産運用部門傘下のヘッジファンド子会社として立ち上げられた後、16年に経営陣がJPモルガンから会社を買い取り、当時340億ドルだった預かり資産を今年9月段階で約1480億ドルにまで拡大させた。
事情に詳しい関係者の話では、HPSは当初新規株式公開(IPO)を目指したが、ブラックロックを含む複数の先から買収を打診されたという。
運用資産11兆5000億ドルのブラックロックの9月末のプライベートクレジット残高は850億ドル。今後新たな事業部門を設立し、HPSの首脳陣が率いることになる。
買収手続きは来年半ばに完了する見込みで、ブラックロックは手続きが終わる際に2日終値ベースの評価額でおよそ94億ドル相当の920万株を支払い、その後一定の条件に基づいて5年前後かけてさらに290万株近くの支払いを行う。
またブラックロックはHPSの債務約4億ドルについて、返済ないし借り換えという形で肩代わりすることにも合意した。
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