- 2024/10/23 掲載
ドイツ銀、第3四半期は黒字回復 訴訟引当金戻し入れで
Tom Sims Matthias Inverardi
[フランクフルト 23日 ロイター] - ドイツ銀行が23日発表した第3・四半期決算は、傘下ポストバンクを巡る訴訟引当金の一部戻し入れや投資銀行部門の好調が寄与し、黒字回復した。
第2・四半期は訴訟の長期化を受けた多額の引当金計上が響き、4年ぶりに赤字に転落していた。ただその後、一部の原告と和解が成立し、引当金のうち4億4000万ユーロ(4億7500万ドル)を第3・四半期に戻し入れた。
ドイツ銀はポストバンクを巡る問題で保留していた自社株買いを申請したことも明らかにした。
株主帰属純利益は前年比42%増加し、14億6100万ユーロとなり、予想とほぼ一致した。第2・四半期は1億4300万ユーロの赤字だった。
クリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)は「この3カ月間、過去の訴訟問題を解決する上で重要な進歩を遂げ、同時に営業事業で過去最高の第3・四半期利益を達成した」と述べた。
第3・四半期の最大の稼ぎ頭は投資銀行部門。前年同期比11%の増収となり、予想の6.5%増収を上回った。
一方、ポストバンクを含むリテール部門の収入は横ばいで、市場予想と一致。法人部門は3%の減収で、市場予想の1%弱の増収を下回った。
両部門とも、ここ数四半期は金利上昇が増収要因となっていたが、欧州中央銀行(ECB)の利下げで増収効果が薄れるとみられる。
投資銀行部門では、債券・為替トレーディング業務が11%の増収と、予想の4.6%増収を上回った。
オリジネーション、アドバイザリー業務は24%の増収と好調で、予想の19%増収を上回った。
ドイツ銀行は、今週から来週にかけて四半期決算を発表する欧州の大手銀行のうちの1行。銀行セクターは利ざやが縮小し、個人や法人の融資需要が低迷しているが、投資銀行業務が好調で、引き続き収益を上げると見込まれている。
ここ数週間、イタリアの銀行ウニクレディトがドイツ銀行の国内競合であるコメルツ銀行と提携に向け動いているとのニュースが注目を集め、ドイツ銀行が合併・買収でこの競争に参戦するのではないかとの憶測を呼んでいる。しかし、ドイツ銀行の幹部は自社の戦略に注力しているとし、こうした見方を否定している。
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