- 2024/10/04 掲載
中国のオフショア社債発行、第4四半期は最大150億ドル 刺激策受け
第4・四半期のオフショア債発行額としては、過去3年で最大となる可能性がある。
ディールロジックによると、先週だけで約59億ドルのドル建て債、ユーロ建て債が発行された。週間ベースで今年最大という。
シティグループの大中華圏債券シンジケート責任者、Xixi Sun氏は「景気刺激策と予想される米利下げで市場に弾みがつき、機敏に動ける企業が今後数週間以内の起債を検討する可能性がある」と述べた。
市場関係者によると、中国当局が先月、景気刺激策を発表して以降、投資適格企業の信用スプレッドは10─20ベーシスポイント(bp)縮小しており、投資家のリスク選好度が高まっている。
金利低下と信用スプレッドの縮小で国内企業の資金調達コストは低下する見通しという。
中国の料理宅配アプリ大手、美団は先週、ドル建て債を2本建てで発行し25億ドルを調達した。同国のITセクターで今年初の起債となった。旺盛な需要を背景に金利は当初提示した水準を30bp下回った。
<新たな資金調達ニーズを予想>
UBSのアジア地域グローバルバンキング担当のMandy Zhu副会長は、景気刺激策を受けて、企業が事業を拡大し、新たな資金調達ニーズが生じる可能性があると指摘。社債発行などを通じた資金調達活動が増えるとの見方を示した。
「債券市場には力強い勢いがあり、発行市場と流通市場の双方で投資家の需要は強い」という。
LSEGのデータによると、2023年第4・四半期の中国の投資適格企業によるオフショア債発行額は138億ドル、22年第4・四半期は110億ドルだった。
シティグループのSun氏によると、中国企業が規制上の認可や発行枠を獲得すれば、オフショア債の発行ラッシュは来年に入っても続く可能性がある。
LSEGのデータによると、中国企業は24年第1─3・四半期にドル建て、ユーロ建て、円建て社債で633億3000万ドルを調達。前年同期の441億ドルを上回った。
ただ、新型コロナウイルス流行を受けた景気刺激策で世界的に起債が急増した20年第1─3・四半期の1501億ドルは大幅に下回っている。
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