Shinji Kitamura

［東京　３日　ロイター］ -

午後３時のドル／円は、前日ニューヨーク市場の終盤と変わらずの１４６円半ばで取引されている。石破茂首相が前日に日銀の利上げけん制とも受け止められるような発言をしたことで、円が広範に売られた。

ドルは朝方の安値１４６円前半からじり高で、仲値公示後に一時１４７．２５円まで上昇し、８月１９日以来１カ月半ぶり高値を付けた。円が全面安となった前日海外市場の流れに輸入企業のドル買いが加わり、一段の上昇となった。

ドル／円の上昇が支えとなる形で、円は対ドル以外の通貨に対しても続落した。豪ドルは一時１０１円前半と２カ月ぶり、カナダドルが同１０８円半ばと１カ月ぶり、ユーロが同１６２円前半と１週間ぶり高値を付けた。

石破茂首相は２日、日銀の植田和男総裁との会談後に「追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と発言した。

りそなホールディングスのシニアストラテジスト、井口慶一氏は「石破首相の就任で円の先安見通しが後退していただけに、前日の発言は参加者にとって手のひら返し、変節ともいえる内容と受け止められた」といい、日米金利差の縮小見通しを背景にドル売り／円買いを仕掛けていた短期筋を中心に、円の売り戻しが活発化したと話している。

ドル／円 ユーロ／ドル ユーロ／円

午後３時現在 146.55／146.56 1.1028／1.1029 161.62／161.63

午前９時現在 146.57／146.58 1.1045／1.1046 161.90／161.91

ＮＹ午後５時 146.46／146.48 1.1045／1.1046 161.75／161.81