- 2024/10/03 掲載
ロンドンのカナリー・ワーフ、空きオフィスのホテル転用を模索
新型コロナウイルス禍以降の借り入れコスト増加と在宅勤務の浸透で、商業用不動産価格が世界的に下落する中、カナリー・ワーフの取り組みは苦境に立たされているビジネス地区の活性化に向けた試金石とみられている。
コスターによると、カナリー・ワーフを含むドックランズ地区のオフィスの空室率は、2017年に最も低かった4%から24年9月現在で17%と4倍以上に上昇し、より中心部のシティ地区の空室率11%を上回る。CWG幹部は、緑化を進め、老朽化した建物を改修し、一部をホテルや娯楽、小売り、学術、文化施設など他の用途に転用することで、カナリー・ワーフを再活性化させる計画だと述べた。ただ、改修によって数億ポンド以上の費用がかかる可能性が高い。
カナダの投資会社ブルックフィールドとカタール投資庁が出資するCWGは、オフィス需要の落ち込みで不動産価値がこの1年で15%下落したと4月に発表したほか、9月にはフィッチが社債をジャンク債レベルまで格下げした。
CWGのジョン・マルクイン最高投資責任者はロイターに対し、「供給不足となっている用途のものを導入するチャンスはある」と話し、空きスペースにはホテルが魅力的な選択肢だとした。ホテル運営会社30社以上からの提案を検討しているといい、JPモルガンやバークレイズといったこの地区にオフィス拠点を持つ各社もこうしたアイデアを支持していると話した。カナリー・ワーフでは、25年初めまでにホテルや短期賃貸アパートが計1000室以上に達する見通しだ。CWGによると、74人収容可能なブティックホテルの契約が間近といい、25年後半にオープンする予定となっている。
一方、CWGの最高開発責任者のトム・ヴェナー氏は、オフィスビルが今後も中核的な用途であり続ける指摘。その上で、オフィスビルから用途が変更される可能性が高いと述べた。
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