- 2024/07/12 掲載
物価2%の軌道に回帰、金融環境「かなり制約的」=シカゴ連銀総裁
Ann Saphir
[シカゴ 11日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は11日、今年初めに上昇した米インフレ率が目標の2%に向けた軌道に戻ったようだとし、利下げの機が熟しつつあると確信を強めていることを示唆した。
6月の消費者物価指数(CPI)について「まさに2%への道筋だ」と記者団に述べた。
労働省が発表した6月のCPIは、前月比でマイナス0.1%と予想外に下落。前月比でマイナスになるのは2020年5月以来約4年ぶりで、ディスインフレが確実に軌道に戻ったことが示された。
グールズビー総裁は「素晴らしい」ニュースだとし、5月のCPIも踏まえると、1月のインフレ率の予想上振れは単に一時的なものだったことが示されたと言及。6月は住宅関連の費用の伸びが緩和したことも「極めて心強い」と語った。
今月30─31日の連邦公開市場委員会(FOMC)で自身が利下げを提案するかについては明言を避けた。
ただ、政策金利を現行水準に据え置くことは事実上、経済に一段のブレーキをかけていることを意味すると指摘。据え置きによって「(金融政策を)引き締めることになり、しかもここ数十年で最も制約的な水準から出発する」とし、「経済が過熱していると考えるなら、それほど制約的になり、実質的に引き締める理由になるが、現状は景気が過熱しているとは言えない」と述べた。
労働市場は減速しているものの依然として強く、リセッション(景気後退)の始まりのようには感じないと指摘。
6月の失業率が4.1%に上昇したことや延滞の増加など景気減速の警告サインがいくつか見られるとしつつ、コロナ禍で経済が混乱したため、こうしたサインが何を予兆しているか判断するのは困難との見方を示した。
その上で、明確なのは金融環境が「かなり制約的」ということだとし、インフレ率が低下する中でも金利を据え置けば、「紛れもなく」政策を引き締めることになると述べた。
最初の利下げ後の追加措置についてはデータ次第とし、事前にコミットしたり、自らの手を縛ったりしたくはないと語った。
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