- 2024/06/09 掲載
利下げ想定回数、減少か=FRB、7会合連続で金利据え置きへ―11、12日にFOMC
【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は11、12両日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、金融政策について協議する。根強いインフレを受けて、会合後に公表する政策金利見通しでは、年内の利下げ想定回数を3月時点の3回から減らし、金融緩和を急がない姿勢を改めて示すとみられる。
政策金利は2001年以来の高水準である年5.25~5.50%となっており、7会合連続でこれを据え置くとの見方が大勢だ。FRBは現行の金利を「景気抑制的」(パウエル議長)と強調。当面維持することで、景気を冷まして需要を抑え、物価上昇圧力の沈静化を図る。
米国のインフレ率はピークから大きく下がったものの、今年に入ってからは一段の低下が見られない状況だ。FRBが重視する物価統計である個人消費支出(PCE)物価指数の上昇率は4月に2カ月連続で前年同月比2.7%となり、目標の2%を上回る水準で停滞している。
一方、FRBのこれまでの大幅利上げにもかかわらず、景気は底堅さを保っている。7日公表された5月の雇用統計では、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数が前月比27万2000人増と、市場予想を大きく上回る伸びとなった。
今のところインフレが再燃する兆しはなく、「追加利上げはおそらく不要」(ウォラー理事)とみられている。ただ、物価安定を回復するには、景気抑制的な金融政策を続けて「需要の伸びを鈍化させることが必要」(高官)との声が上がる。金利を高水準に据え置き続けることで、その効果が景気や物価に表れるのを忍耐強く待つ構えだ。
【時事通信社】
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