- 2024/06/08 掲載
NY市場サマリー(7日)ドル反発、利回り急上昇 株は小幅安
<為替> ドルが反発した。5月の米雇用統計が予想以上に強かったことを受け、連邦準備理事会(FRB)は年内の利下げを急がない可能性が高いことが示唆された。
米労働省が発表した5月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比27万2000人増で、予想を大きく上回った。時間当たり平均賃金は前年比4.1%上昇と、伸びは前月の4.0%から加速した。
金利先物市場は雇用統計を受けて、11月か12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)の利下げが1回のみ実施されるとの見方を織り込んでいる。また、市場が織り込む9月の利下げ確率は6日終盤の約70%から約50.8%に低下した。
主要通貨に対するドル指数は0.8%高の104.91となった。週間ベースでは0.2%高となる見通し。
ドルは円に対して0.6%上昇し156.64円。
円は最近堅調に推移しているものの、4月末に記録した1ドル=160円台の34年ぶりの安値から遠くない水準となっている。
一方、ユーロは対ドルで0.8%安の1.0803ドル。ポンドは対ドルで0.5%下落して1.2722ドル。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 国債利回りが大きく上昇した。5月の雇用者数の伸びが予想を上回ったことを受け、FRBが9月に利下げに着手するとの観測が後退した。
LPLフィナンシャルのチーフ・グローバルストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「労働市場が力強ければ消費も力強くなる。消費支出が継続し、インフレが加速する」とし、「FRBは今回の雇用統計を9月利下げの障害と見なす可能性がある」と述べた。
雇用統計を受け、市場ではFRBが9月までに利下げに着手するとの観測が後退した。
来週は11─12日にFRBがFOMCを開く。FOMCの結果が発表される12日の朝には5月の消費者物価指数(CPI)が発表される。
財務省は10日に3年債(580億ドル)、11日に10年債(390億ドル)、13日に30年債(220億ドル)の入札を実施する。
終盤の取引で10年債利回りは15ベーシスポイント(bp)上昇の4.428%。2年債利回りも15bp上昇の4.87%。1日の上昇幅としては共に4月10日以来の大きさとなった。
2年債と10年債の利回り格差はマイナス44bpと、前日からおおむね横ばい。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 小幅安だった。朝方発表された米雇用統計は予想以上に力強い内容となり、経済の底堅さを示す一方、FRBが利下げを急がないという懸念をあおり、相場は不安定な展開となった。
雇用統計発表後、S&P総合500種は下落。9月の利下げ観測が後退する中、米債利回りは上昇した。しかし、米経済の基調的な健全性が注目されたことで、S&Pは間もなく切り返し、取引時間中の最高値を更新する場面もあった。
ビレールのポートフォリオマネジャー、サンディ・ビレール氏は「短期的に利下げが実施されないことが示唆され、債券利回りが再び上昇する中、小型株を中心とするリスクオン取引に大きな圧力がかかってた」と述べた。
公益、素材、通信サービスの下げが目立った。金融と情報技術は上昇した。
週足では、S&Pが1.32%高、ナスダック総合は2.38%高、ダウ工業株30種は0.29%高だった。
ゲーム販売のゲームストップは39%安。2021年のミーム株ブームの火付け役とされる「ロアリング・キティ」ことキース・ギル氏のライブ配信開始後、不安定な展開となり急落した。また、同社はこの日、株売り出しの可能性と四半期売上高の減少を発表した。
他のミーム株にも売りが広がり、AMCエンターテイメントは15.1%安、ステレオ・ヘッドフォン製造のコスも17.4%安。
半導体大手エヌビディアは続落し、時価総額は前日に続き3兆ドルを下回った。
リフトは0.6%高。2027年にかけ、グロスブッキングが毎年15%増になるという見通しが好感された。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.72対1の比率で上回った。ナスダックでも2.6対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は約107億5000万株。直近20営業日の平均は127億株。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 堅調な米雇用統計を受けて、FRBによる早期の利下げ観測が後退し、反落した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比65.90ドル(2.76%)安の1オンス=2325.00ドルと、中心限月清算値ベースでは5月初 旬以来約1カ月ぶりの安値水準となった。週間では0.89%安。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 米利下げ期待の後退に伴う売りと、有力産油国による減産継続をにらんだ買いが交錯し、ほぼ横ばいとなった。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.02ドル(0.03%)安の1バレル=75.53ドル。週間では1. 90%下落した。8月物は0.02ドル安の75.22ドルだった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 156.70/156.73
始値 155.56
高値 157.07
安値 155.44
ユーロ/ドル NY終値 1.0800/1.0804
始値 1.0888
高値 1.0901
安値 1.08
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 101*05.50 4.5527%
前営業日終値 103*07.00 4.4300%
10年債(指標銘柄) 17時05分 99*17.00 4.4335%
前営業日終値 100*24.00 4.2810%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*05.50 4.4608%
前営業日終値 100*29.50 4.2920%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*31.13 4.8889%
前営業日終値 100*09.25 4.7200%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 38798.99 -87.18 -0.22
前営業日終値 38886.17
ナスダック総合 17133.13 -40.00 -0.23
前営業日終値 17173.12
S&P総合500種 5346.99 -5.97 -0.11
前営業日終値 5352.96
COMEX金 8月限 2325.0 ‐65.9
前営業日終値 2390.9
COMEX銀 7月限 2944.0 ‐192.7
前営業日終値 3136.7
北海ブレント 8月限 79.62 ‐0.25
前営業日終値 79.87
米WTI先物 7月限 75.53 ‐0.02
前営業日終値 75.55
CRB商品指数 289.8587 ‐2.5609
前営業日終値 292.4196
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