- 2024/05/16 掲載
米NY連銀総裁、インフレ鈍化を歓迎 「利下げには不十分」
[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化したことを歓迎する一方で、これだけでは早期の利下げを唱えるには不十分との見解を示した。
総裁は15日のロイターとのインタビューで、4月のCPIについて「過去数カ月間期待外れだったため、前向きな展開」と評価。インフレ圧力の段階的な低下という点では、「全体的な傾向はかなり良好」との認識を示した。
米連邦準備理事会(FRB)の金融政策は「引き締め的」で「良好な状態にある」と述べた。
「現時点で金融政策のスタンスを変更する理由があることを示す指標は見られない。またインフレ率が2%の目標に向かって進んでいるという確信が近い将来に得られるとは予想していない」と語った。
「現時点で金融政策を引き締める必要はないと思う」とも述べた。
米労働省が15日発表した4月のCPI上昇率は前年同月比3.4%と、3月の3.5%から鈍化した。食品とエネルギーを除くコアCPI上昇率は3.6%で、3年ぶりの小幅な伸びにとどまった。
市場ではFRBが9月と年内にもう1度0.25%ポイントずつ利下げするとみられている。
ウィリアムズ氏は経済は引き続き堅調で、バランスが良くなっているとの見方を示した。労働市場は依然として「逼迫」しているとし、失業率の上昇ではなく過剰な部分を取り除くことでより良い方向に向かっていると述べた。
失業率は今年、現在の3.9%から4%へ上昇するとの見通しを示した。個人消費支出(PCE)価格指数の伸び率は年末までに2%台前半となり、年間で2.5%程度になるだろうと述べた。来年2%前後に低下し、その後は持続的にこの水準を維持すると予想した。
金融政策を変更するにはインフレ率が2%に保たれるとFRBが確信する必要があるが、実際に2%に達するまで待つべきではないと述べた。
FRBは保有資産のの規模縮小に取り組んでおり、FRBのバランスシートは依然として債券利回りに「控えめな」影響を及ぼしていると語った。
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