- 2024/04/05 掲載
中国経由のロシア石油決済に最大6カ月、欧米の金融制裁で
ロシアの銀行の90%が2022年末までに中国で口座を開設し制裁回避を図った。しかし、中国などの銀行は、ロシア産原油や燃料油の貿易決済に関われば、ロシアに加担したとして米国からロシア同様の制裁(二次制裁)を受けかねないと警戒するようになった。
ロシアの石油会社は原油や燃料の輸出代金の受け取りが最大数カ月遅れるようになり、決済の迂回ルートを模索した。
この結果、ロシアの銀行として中国で唯一、本格的な支店機能を持つ国営VTB銀行上海支店に口座開設の申し込みが殺到した。関係者によると、支店スタッフの陣容は限られているため口座開設に6カ月も待たされるケースがあるという。
VTB銀行はロイターの取材に対しコメントを控えた。
ロシアの企業関係者らによると、今年1月から中国の銀行経由の決済問題に注意が払われ始めた。取り扱いを拒否する銀行も複数あるという。ある関係者は「浙江稠州商業銀行の問題は2月初めに始まった」と証言。同行など中国の複数の銀行が昨年12月に米国による二次制裁の警告を受けて、ロシア企業の決済業務を停止したという。
浙江稠州商業銀行と中国人民銀行(中央銀行)のコメントは得られていない。
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