- 2024/03/21 掲載
ゆうちょ銀とかんぽ生命、国内金利「緩やかな上昇」想定 日銀政策修正で
[東京 21日 ロイター] - ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険は、国内金利の見通しについて、日銀の政策修正を踏まえ緩やかな上昇を想定しているとの見解を示した。ロイターに対して19日、電子メールで回答した。
かんぽ生命は、賃金上昇によるインフレ期待の高まりから一時的に上昇する局面は想定するとした一方、「急激な利上げは見込みにくく、国内長期金利については緩やかな上昇にとどまる」との見方を示した。ゆうちょ銀行は、国内経済のマクロ環境や、長期国債の買い入れ方針が維持されたことを踏まえ「欧米のように金利が急ピッチで上昇していく蓋然性は低い」とした。
運用方針を巡って、かんぽ生命は、日銀による継続的な利上げ、海外中銀による急速な利下げはともに見込みにくいとして、ヘッジコストは高止まりが続くと想定。ヘッジコスト考慮後の利回りの観点からヘッジ外債は「積極的な追加アロケーションは控える」という。一方、世界経済の減速リスクを踏まえ「現状程度の残高は維持」とした。
オープン外債は「円高リスクも警戒し、当面の償還額の範囲内での再投資を検討」とし、ヘッジ比率は概ね現状維持を見込むという。
金利上昇は保有債券の時価下落につながるが「保険負債も含めた生保の企業価値にはプラスの影響がある」とみている。負債コストを上回る債券での運用もしやすくなるとして「入替売買などでポートフォリオの利回り向上を図り、順ざやの拡大につなげていく」とした。
国内債券の約9割を会計上、時価評価されない満期保有目的の債券、責任準備金対応債券で保有しているとして「財務諸表上の影響は限定的」としている。
一方、ゆうちょ銀行は、短期金利の上昇は短期運用資産の利回り改善と内外金利差縮小による外貨調達コストの減少で収益の増加要因となり、長期金利の上昇は新規投資利回りの改善が見込まれるとした。一時的に、保有する日本国債などの評価損益悪化要因となるが「厚い資本を有していることや、これまで円金利上昇を見据えたリスク管理をしっかり行ってきたことから、十分マネージできる」との考えを示した。
日本国債などへの新規投資額を見直した場合でも、運用原資である日銀当預などの増減で調整することを想定しているとし、「外国債券への投資戦略を大きく変更することは考えていない」としている。
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