- 2024/02/16 掲載
肥満症治療薬ウゴービ、米国で青少年の利用が急増
[15日 ロイター] - デンマークの製薬大手ノボノルディスクの肥満症治療薬「ウゴービ」について、米国で服用する青少年の数が少ないながらも急速に増えていることが、ロイターが独占入手したデータで分かった。
データは医療技術企業コモド・ヘルスが保険請求を基に集計。肥満と診断された12歳から17歳の青少年のうち、1268人が2023年の1―10月にウゴービの投与を開始していた。これに対し、22年にウゴービを利用した青少年はわずか25人だった。
米当局は22年12月、青少年によるウゴービの利用を承認。その1カ月後、強い影響力を持つ米小児科学会が12歳から肥満症治療薬の投与を開始することを推奨した。
ロイターがミシガン、ミネソタ、ウィスコンシンなど5州で入手した医療データでも、青少年によるウゴービの利用急増が示された。
連邦政府の推計では、米国の小児肥満率は20%近く、人数は約1470万人と記録的な水準に達している。今回のデータは、手術以外で初めての強力な肥満症治療法として、ウゴービを受け入れる機運が広がっていることを示した。
ただ、保険が適用されない場合、ウゴービのコストは1カ月に最高1300ドルに上る。また、投与を中止すると、過半数の人がほぼ元の体重に戻ることが、これまでのデータで示されている。
米国は青少年に対して新たな減量薬を試している数少ない国の一つ。ノボノルディスクによると、昨年はドイツ、英国、デンマーク、アラブ首長国連邦(UAE)でもウゴービの青少年への適用が承認された。
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