- 2024/02/08 掲載
FRB当局者、利下げ急がず インフレ低下の確信必要と指摘
[7日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)当局者は7日、早期に利下げを開始する緊急性を感じておらず、開始しても緩やかなペースになることを示唆した。インフレ率が目標の2%に戻りつつあるという確信が強まるまで利下げを見送りたい意向だ。
ボストン地区連銀のコリンズ総裁はボストンのエコノミック・クラブでの講演で、「FRBはデータと見通しを注意深く見極めており、政策は現時点で引き続き適切な位置にある」と言及。「目標が達成されるという確信が深まれば、年内のある時点で制約的な政策を緩和し始めるのが適切になる」と述べた。
労働市場と経済の力強さは、沈静化にある程度の時間がかかることを示しており、利下げは段階的で秩序立ったものであるべきだとした。
大方のFRB当局者は昨年12月時点で、今年の利下げ回数が3回、あるいはそれ以上になると予想していた。
それ以降、インフレ率は引き続き低下しているが、国内総生産(GDP)統計や雇用統計は市場予想を上回っている。
ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁はCNBCのインタビューで、「これまでに入手された情報を踏まえ、年内に2─3回の利下げを実施するのが適切だと現時点で考えている」と述べた。
その上で、労働市場の好調さが維持されれば、FRBの利下げペースは「かなり緩慢」になると予想。一方、大幅に減速すれば、より迅速に利下げを実施しなければならなくなると語った。
カシュカリ氏と同様にFRB内でタカ派寄りとされるリッチモンド地区連銀のバーキン総裁は、インフレ率が目標の2%に向けてどの程度持続的に低下しているのかまだ疑問が残ると述べた。
これまでのところ、ディスインフレはモノの価格下落によるもので、サービスや賃貸セクターにはまだ波及していないと指摘。
現時点ではかなりの不確実性が残っているとし、「到達すべきところに到達するために、忍耐強くあることを強く支持する」と語った。
FRBのクーグラー理事は、賃金の伸び鈍化と賃料低下を背景にインフレ率が低下し続けると楽観しているとしながらも、それを確認するにはさらなるデータが必要だと指摘。ディスインフレの進展が停滞するようであれば、政策金利を現在の水準で長く維持することが適切との認識を示した。
「現時点から年末までやそれ以降の全ての会合がライブになる」と語った。
関連コンテンツ
PR
PR
PR