- 2024/02/06 掲載
米社債発行、今年は過去最高の見込み 利下げと景気軟着陸期待で
[ニューヨーク 5日 ロイター] - 今年の米市場での社債発行額は過去最高を更新するとみられている。米連邦準備理事会(FRB)の利下げで資金調達コストが低下する見込みのほか、経済の「軟着陸」への期待で投資家の買い意欲が高まっていることが背景にある。
投資適格級企業による債券発行額は先月1960億ドルを超え、1月としては過去最高を記録した。BofAグローバルは2月の発行額が投資適格級債券だけでも1600億─1700億ドル近くになると予想しており、そうなると2月も過去最高となる。
投資適格級債券の発行額が1月と2月連続で過去最高となるのは異例だ。今年は1兆3000億ドル近い投資適格債が発行される見込み。
SMBC日興セキュリティーズ・アメリカのクレジットストラテジスト、エドワード・マリナン氏は、デフォルト(債務不履行)の可能性が極めて低く、5%から6%のリターンが期待できる債券を利回りが低下し始める前に確保しようと投資家が殺到したと分析した。
投機的等級債券(ジャンク債)の発行額も1月は310億ドルを超え、2021年11月以来の高水準となった。
EPFRグローバルのデータに基づくTDセキュリティーズのリポートによると、1月31日終了週は投資適格債に投資するファンドや上場投資信託(ETF)から17億0200万ドルが流出した。前週は32億9800万ドルの流入だった。一方、ジャンク債に投資するETFへの資金流入は23億7300万ドルと、前週の4億1100万ドルから急増した。
これは投資適格級の企業が米国債に対してほとんど金利を上乗せしないで債券を発行していることが一因だ。
インフォーマによると、プロクター・アンド・ギャンブルの13億5000万ドルの5年債と10年債の投資適格債は先月、米国債に対するスプレッド(上乗せ金利)が記録的な低水準に設定された。投資適格債の新規発行プレミアムはこれまで3─4ベーシスポイント(bp)だったが、1月はほとんどゼロだった。
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