- 2024/02/06 掲載
ノボ親会社がキャタレントを165億ドルで買収、肥満症薬生産能力拡大へ
[5日 ロイター] - デンマーク製薬大手ノボノルディスクが手がける肥満症治療薬「ウゴービ」を巡り、親会社のノボ・ホールディングスは5日、ウゴービの重要な受託生産企業の一つであるキャタレントを165億ドルで買収すると発表した。
ノボ・ホールディングスのカシム・クタイ最高経営責任者(CEO)はロイターに、この取引はノボノルディスクを支え、ウゴービの需要急増に対応して「フィル・フィニッシュ」(ペン型注射器に薬剤を詰める専門的な製造工程)の設備を拡充するための戦略にとって中心的な存在になると説明した。
買収完了後、ノボ・ホールディングスはキャタレントがイタリアとベルギー、米国で操業しているフィル・フィニッシュ工場3カ所を110億ドルでノボノルディスクに売却するという。
JPモルガンのアナリストチームは、これらの工場を取得すればノボノルディスクのウゴービ増産が従来の想定より早まるとの見通しを示した。
またキャタレントのベルギー工場は2021年と22年、米国の安全基準に関するルールに抵触し、品質管理面で問題が生じていたが、ノボノルディスクが自社工場とすればこうしたリスクを回避できるとの指摘も出ている。
事情に詳しい関係者は、キャタレントは約50カ所の工場を運営しており、ノボノルディスクが取得するのはそのうちの3カ所に過ぎないため、独占禁止法の問題が浮上する心配もないと述べた。
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