- 2024/02/03 掲載
米利下げ観測後退、雇用統計が予想以上に堅調
[2日 ロイター] - 米労働省が発表した1月の雇用統計が予想以上に力強かったことを受け、2日の短期金融市場で利下げ観測が後退した。市場では利下げ圧力が軽減したことで、連邦準備理事会(FRB)は様子見姿勢を取る可能性があるとの見方が出ている。
1月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比35万3000人増と、市場予想の18万人を大幅に上回って増加したほか、時間当たり平均賃金の伸びは前月比、前年比で共に加速した。
グラスドアの主席エコノミスト、ダニエル・ザオ氏は今回の雇用統計について、利下げを開始する圧力を高めるものではなかったとし、FRBは様子見姿勢を取る可能性があるとの見方を示した。
エバーコアISIのエコノミストは「FRBは再加速する経済に切り込むことには非常に慎重になるだろう」と指摘。「力強い成長と雇用により、FRBは抑制されたインフレが持続するという証拠をさらに蓄積したいと考えている」と述べた。
FRBが4月30日─5月1日の会合で0.25%ポイントの利下げを決定し金融緩和に着手する可能性について、フェデラルファンド(FF)金利が織り込む確率は現在、約70%。雇用統計発表前は約90%だった。
同時に、年内の合計の利下げ幅の予想も縮小。年末時点のFF金利誘導目標の予想は4.00─4.25%と、雇用統計発表前の4%未満から上昇した。
短期金利先物市場では、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの利下げが開始される確率が約20%に低下した。
FRBは1月30─31日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、FF金利の誘導目標を5.25─5.50%で据え置くと決定。声明で「インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信がさらに強まるまで、誘導目標レンジの引き下げが適切になるとは予想していない」と表明した。
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