- 2024/02/02 掲載
NY外為市場=ドル下落、米利下げ近いとの見方継続
[ニューヨーク 1日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルがユーロと円に対して下落した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が3月利下げの可能性は低いとの見解を示したものの、市場ではFRBによる利下げが近いとの見方が維持された。
パウエルFRB議長は前日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、インフレとの闘いは終わっていないとして勝利宣言せず、経済のソフトランディング(軟着陸)を達成したと断言することや3月の利下げを約束することは控えた。
フォレックスライブのチーフ通貨アナリスト、アダム・バトン氏は「中銀関係者に共通するテーマは、利下げに関する市場の織り込みを甘受したくないということだ」と述べた。
CMEのフェドウオッチによると、市場が織り込む3月の利下げ確率は39%、5月の利下げ確率は94%となっている。
FXストリート・ドット・コムのシニアアナリスト、ジョセフ・トレビサーニ氏は「パウエル議長が、利下げの準備ができていないと直接発言しているにもかかわらず、市場は次回会合での利下げ開始に対する期待を維持している」とした。
米労働省が1日発表した2023年第4・四半期の非農業部門の労働生産性(速報値)は年率換算で前期比3.2%上昇と、ロイターがまとめたエコノミスト予想の2.5%上昇を上回った。
米労働省が1日発表した1月27日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は9000件増の22万4000件となった。市場予想は21万2000件だった。
米供給管理協会(ISM)が1日発表した1月の製造業景気指数は49.1となった。新規受注の回復を背景に、前月から小幅持ち直したものの、15カ月連続で拡大・縮小の分岐点となる50を下回った。
ドル指数は0.55%安の103.04。
ニューヨーク州を地盤とする銀行持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)の予想外の赤字決算と減配を受け、地銀の健全性を巡る懸念が再燃。米債利回りが急低下したこともドルを下押しした。
ドル/円は0.45%安の146.29円。
イングランド銀行(英中央銀行)は1日、政策金利を約16年ぶりの高水準である5.25%に据え置いた。インフレ圧力がさらに強まれば「一段の引き締め」が必要になるとの文言を取り下げた一方、「政策金利を現在の水準にどの程度維持すべきか検討する」とした。
ベイリー総裁は「インフレが目標の2%まで低下し、その水準にとどまるという証拠を利下げ前に見極める必要がある」と述べた。
バリンジャーのFX市場アナリスト、カイル・チャップマン氏は「欧州中央銀行(ECB)やFRBが利下げを示唆する一方で、英中銀はこうした議論に消極的なため、異例な存在として目立ち続けている」と述べた。
ポンド/ドルは0.46%高の1.27455ドル。
ユーロ/ドルは0.5%上昇し1.08720ドルとなった。ただ、取引時間中には12月13日以来の安値となる1.07800ドルをつける場面があった。
スウェーデン中央銀行は1日、政策金利を予想通り4.00%に据え置いた。11月の予測で示唆したよりも早く金融政策を緩和する可能性があると表明した。
スウェーデンクローナは対ドルで10.39クローナと安定的に推移した。
ドル/円 NY終値 146.42/146.45
始値 146.83
高値 147.11
安値 145.90
ユーロ/ドル NY終値 1.0872/1.0873
始値 1.0807
高値 1.0874
安値 1.0808
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