- 2024/02/01 掲載
米地銀の株価急落、健全性巡る懸念再燃 回復の道のり注視
LSEGのデータによるとKBW地銀株指数は6%下落し、1日の下げ幅としては米地銀シグネチャー・バンクが昨年3月に経営破綻して以降で最大となった。同行の資産の一部を買い取った銀行持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)の急落が重しとなった。
NYCBは予想外の損失を計上し、配当を70%削減した。アナリストらは、NYCBの問題は同行のバランスシートに起因する固有なものと指摘するが、地銀の健全性に対する懸念が再燃した。
ジェフリーズのアナリストはメモで「NYCBにはいくつかの特有な特徴があると考えられるが、決算の結果と市場の反応は地方銀行に残るリスクを思い起こさせる」と記した。
昨年の地銀破綻以来、預金残高は安定しているが、アナリストや投資家は預金の維持コストが地銀の純利息収入を圧迫すると警告している。
高金利により地銀の貸し出し収益や保有証券が打撃を受けており、米連邦準備理事会(FRB)が金利を据え置いたことも投資家の不安をあおる結果となった。
チェリー・レーン・インベストメンツのパートナー、リック・メックラー氏は「多くの投資家は地銀株指数が2024年も回復を続けると予想している」と指摘。しかし回復が道のりが平たんではないことが示されたとし、個々の銀行は景気後退のない低金利環境下で、より前向きな結果を出す必要があると述べた。
PR
PR
PR