- 2024/01/22 掲載
アングル:S&P500種指数、最高値更新 過去の強気相場を分析
[22日 ロイター] - 先週末の米株式市場でS&P総合500種指数が最高値を更新し、2022年10月12日以降、強気相場が続いていることが確認された。
22年10月12日以降の上昇率は35%。先週末は1.2%値上がりし、4839.81で取引を終えた。
ここでは過去の強気相場の値動きと足元の強気相場の上昇要因を振り返ってみよう。
S&P500種指数は、インフレ鈍化の兆しと昨年後半の米連邦準備理事会(FRB)のハト派転換を受けて、年間で24%上昇。ここ数日は、人工知能(AI)ビジネスの成長力への期待を背景に半導体株が買われ、一段高となっている。
株式市場は歴史的に見ると、下落するより上昇することが多く、S&P500種指数は1950年以降、約85%の期間で強気相場を維持してきた。過去40年間に見られた6回の強気相場では、平均260%近い上昇を記録している。
歴史を振り返ると、最高値を更新した局面では騰勢が長続きする傾向がある。クリアブリッジ・インベストメンツのデータによると、S&P500種指数が1年以上ぶりに最高値を更新した過去14回の事例のうち13回では、その後12カ月上昇が続き、平均リターンは13.9%となっている。
1928年以降のS&P500種指数の平均年間リターンは7.5%だ。
22年10月以降の上昇をけん引しているのは、マイクロソフト、テスラ、グーグルの親会社アルファベットなど、巨大テクノロジー企業。
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのシニア・インデックス・アナリスト、ハワード・シルバーブラット氏によると、S&P500種指数はテクノロジー関連株のウエート高く、昨年のトータルリターンの62.18%は、こうした銘柄によるものだ。
S&P500種のテクノロジー・セクターは、S&P500種が安値を付けた22年10月から70%以上急騰。メタ・プラットフォームズやネットフリックスなどが含まれる通信サービス・セクターも60%近く上昇している。
AI技術を巡る高揚感も株価を押し上げる要因となっている。時価総額ベースで世界最大の半導体メーカーとなったエヌビディアは昨年、株価が3倍になり、今年に入ってからも値上がりが続いている。先週末には最高値を付けた。
昨年12月には、小型株で構成するラッセル2000指数も勢いづき、株高の裾野が広がりつつあるとの期待が高まった。だが、同指数は今年に入り4.1%下落。これに対し、S&P500種指数は今年1.4%値上がりしており、時価総額の高い企業が引き続き強気相場の恩恵を受けていることが浮き彫りとなっている。
S&P500種指数は昨年、企業業績の伸び悩みにもかかわらず大幅高となった。LSEGのデータによると、昨年1年間の企業利益は2.8%増にとどまったとみられている。今年は10.9%の増益が見込まれており、投資家の間で業績への期待が広がっている。
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