- 2024/01/09 掲載
欧州、住宅価格上昇で過去5年間に資産格差縮小=ECB
ECBは「過去5年の国民経済計算でユーロ圏の世帯の純資産は大幅に増加し、格差は若干縮小した。人口の6割を超える住宅所有者が住宅価格の上昇の恩恵を受けたことが一因だ」と指摘した。ECBは超低金利や大量の資産買い入れにより、金融資産を多く持つ富裕層が主に優遇されたとの批判を何年も受けていた。また、低金利は住宅所有者に恩恵を与えた一方、住宅ブームをあおって低所得者層にとっては住宅の賃借を含めて不動産に手が届きにくくなったとも指摘されていた。
ECBによると、家計の純資産中央値は2016年から約40%増え、15万ユーロをわずかに上回った。上位5%と下位50%の間の資産格差は何年にもわたって縮小傾向にある。
世帯の資産の分布に関して試験的に実施した今回の調査によると、過去5年間に住宅所有者の純資産は27%増えた。一方、非住宅所有者の純資産は17%増にとどまった。
ただ、ECBの主要政策金利は過去最高水準にあり、最近は多くのユーロ圏の国々で不動産価格が下がっている。それらのデータを入手できるようになるまではタイムラグがあり、今回の数値に最近の住宅価格下落は反映されていない。
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