- 2024/01/04 掲載
貸し切りジェットで地方誘客=海外富裕層に照準、課題も
コロナ禍から観光需要の回復が続く中、海外富裕層を日本各地に呼び込む手段として、小型のビジネスジェットに注目が集まっている。貸し切りでスムーズに移動できる快適さから欧米などでは一般的だが、日本でもようやくサービスが本格化しそうだ。ただ、空港の受け入れ体制など普及には課題も多い。
2023年7月、山口県の山口宇部空港(宇部市)に中国企業の幹部らを乗せた小型機「ホンダジェット」が降り立った。乗客らは待機していたハイヤーに乗り込むと、人気の日本酒「獺祭(だっさい)」蔵元の旭酒造(岩国市)へ。酒造りの様子などを見学し、特別スペースで酒の飲み比べと有名シェフの料理を堪能した。
訪日客向けサービスを手掛けるジャパンチケット(東京)が、ホンダとともに行う実証ツアーの一場面。両社は24年3月ごろから、ホンダジェットで山口県や富山県、北海道などを訪れるツアーを販売する予定だ。1組4人で2泊3日を基準に、価格は1人150万円前後からを想定。担当者は「快適に移動し、素晴らしい食や文化、自然を体験してほしい」と話す。
全日本空輸や旅行会社が加盟する「地域創生インバウンド協議会」などは22年春、海外富裕層から旅行相談を受け付ける実証事業を開始し、ビジネスジェットによる8日間の日本一周ツアーなども提案。24年からは、実際の旅行客の受け入れや手配業務に本格的に乗り出す方針だ。
政府は25年までに訪日消費単価を19年比で約25%増やす目標を掲げている。観光庁によると、一度の旅行で100万円以上使う訪日客は全体の1%程度だが、消費額では全体の1割に達する。富裕層の誘致は地方経済への波及効果も大きく、国はビジネスジェットを重要な移動手段に位置付けている。
ただ、国内ではチャーターできる機体の数が少ないことに加え、最も利用される羽田空港では発着枠に余裕がなく、希望時間に使えない可能性もある。欧米ではビジネスジェット専用の空港も充実しており、今後の環境整備が普及へのカギを握る。
【時事通信社】 〔写真説明〕ジャパンチケットなどが山口県で行った実証ツアーで、「ホンダジェット」から降りる参加者ら。(ジャパンチケット提供)
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