- 2024/01/03 掲載
大手行、顧客接点拡大の動き=新NISA、時間外や駅ナカ活用
大手銀行で、個人顧客との接点を拡大する動きが広がっている。1月スタートの新たな少額投資非課税制度(NISA)に合わせ、資産運用の相談を拡充。営業時間外にセミナーを開いたり、駅構内に相談所を設けたりして、利用者が気軽に立ち寄れる機会を提供している。
みずほ銀行は2023年9月から、一部支店で夕方に資産運用相談を受け付ける「みずほNISAカフェ」を定期的に開催。仕事帰りなどの参加者10~20人に、同行の行員がNISA制度の仕組みを解説し、個別相談にも応じる。店内をカフェのような雰囲気にし、飲み物も提供。「銀行の堅いイメージを取り除き、来店の心理的ハードルを下げる」として他支店への横展開も進める。
三井住友銀行は、資産相談業務に特化することなどで小型化した店舗「ストア」の拡大に力を入れる。千葉県印西市の店舗は23年5月、駅前からショッピングモール内に移転し、夕方や土日の営業も開始。その結果、来客数は以前の4倍に増えたという。同行はストアを同年9月末の8店舗から24年3月には50店舗まで伸ばす予定だ。
三菱UFJ銀行は23年、JR東日本と連携し、東京駅など主要駅構内の個室作業スペースから、オンラインで金融相談に応じる取り組みを試験的に実施。通勤途中や買い物の合間などで利用されており、同行は「今後もお客さまとのタッチポイント(接点)拡大を目指す」としている。
インターネットバンキングの普及により、銀行サービスはスマートフォン上で済むケースが増え、店舗は減少傾向にある。一方、「従来型の店舗のままでは、若年層を中心に顧客離れが進むかもしれない」(大手銀幹部)との危機感もあり、各行は新しい店舗の形を模索している。
【時事通信社】 〔写真説明〕みずほ銀行は、NISAに関する相談を受け付ける「NISAカフェ」を夕方に開いている。参加者に飲み物を提供するなど、気軽に立ち寄れる空間を目指す=東京都千代田区の同行八重洲口支店(みずほ銀行提供)
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