- 2023/09/29 掲載
米株ボラに警戒、JPモルガン・ファンドのオプションリセットで
[ニューヨーク 28日 ロイター] - 今月に入ってから下落している米株式市場では、29日にオプションポジションのリセットが予定されるJPモルガンのファンド(160億ドル規模)がさらなるボラティリティー(変動)要因としてトレーダーの注目を集めている。
「JPモルガン・ヘッジド・エクイティ・ファンド」はS&P総合500種の銘柄バスケットと指数オプションを保有し、四半期に1度ヘッジ関係をリセットする。
保有銘柄にはアップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなどの大型株が含まれる。
ファンドの規模が大きいため、オプションのリセットはS&P500オプションの取引量を急増させ、市場の動きを悪化させかねない関連ヘッジ活動を引き起こす可能性がある。
最近の相場下落により、指標株価指数はこのオプションの一部が発動される可能性のある水準に近づいている。
サスケハナ・フィナンシャル・グループのデリバティブ戦略担当共同責任者、クリス・マーフィー氏は「今回はこれまでよりインパクトが強いと思う」と語った。
ファンドのリバランスが市場全体にどのような影響を与えるかはマーケットメーカーに関係している。
現状、S&P500は4290近辺で取引されており、マーケットメーカーは権利行使価格4210の9月29日S&P500オプションを約4万枚ショートしている。
これらのプットオプションを売り建てたマーケットメーカーは、権利行使価格に市場が近づくにつれ、自らのリスクを最小限に抑えるために株式先物を売らなければならない。
「相場が下がればマーケットメーカーは売る必要があり、上がれば買い戻す必要がある。そのため動きを悪化させることになる」(マーフィー氏)。
また、トレーダーが差し迫ったポジション調整とそれに伴う相場下落の可能性を意識し、一段落するまで株の買い手に回るのを控えるかもしれないという。
明るい兆しは、29日の期限が近づく中、相場が4210の水準を大きく上回り続ければ、マーケットメーカーが株式先物を積極的に売買する理由が減ることだ。
オプション分析サービスを提供するスポットガンマの創業者ブレント・コチュバ氏は、相場が4300水準を維持したまま29日に突入すれば、オプションのポジションが市場を大きく左右することはないだろうと語った。
28日の終値は4299.70だった。
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