- 2023/09/29 掲載
中国国債、投資家は価格持ち直しを予想 足元の利回り高騰行き過ぎと判断
今年2月から8月までは、景気回復の足取りの鈍さを受けて国債買いが優勢となり、10年債利回りはこの間に34ベーシスポイント(bp)低下した。
しかしその後、幾つかの経済対策が景気を押し上げる可能性が浮上し、地方政府の起債拡大も加わって、9月は10年債利回りが2.53%から2.74%まで跳ね上がった。
ただ29日からの国慶節の大型連休を前に、国債市場の地合いが改善する兆しも見えてきた。
HSBCのアジア金利戦略責任者ピン・ルー・タン氏は「銀行間の資金調達環境は10月に需給が緩和し、第3・四半期に急増した中央政府によるネットベースの国債供給も第4・四半期には減少すると見込まれる」と説明し、追加の金融緩和が想定される点も踏まえると「国債の強気相場はまだ終わっていない。足元までの動きは一時的な揺り戻しに過ぎなかった」と付け加えた。
9月は1年物の人民元建て国債利回りが5カ月ぶりの高さに達し、7日物レポレートも3月以来の高水準に迫った。
上海安方私募基金管理の投資ディレクター、ゾウ・ワン氏は「9月の資金調達コストは本当に高かった」と語る。
それでも同氏は、大型連休明けに調達環境が好転するようなら、傘下のファンドが中国国家開発銀行の債券などの購入を増やす計画だと明かした。
中誠信国際評級の調査アナリスト、ワン・チェン氏は、民間企業が借り換え圧力に直面し、政策担当者が地方の債務リスク解決に取り組んでいる今の経済状況で、金利が上がることに妥当性はないと指摘した。
1年物の中期貸出制度(MLF)のレートなど短期の政策金利が低下している点からも、国債利回りの上昇は整合性がなさそうだ。
ユーコム・インベストメントのグー・ウェイヨン最高投資責任者は「われわれは債券の強気相場の真っただ中にいると思う」と述べた。
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